健やかな猫暮らしのために必要な栄養を知ろう
~ミネラル編(リン、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、塩化物など)

健やかな猫暮らしのために必要な栄養を知ろう~ミネラル編(リン、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、塩化物など)
登場猫紹介

ミネラルには、DNAやRNAなど生命が生きていくために必要な物質や、脳を作るために欠かせない「リン」や、酵素の働きを助け健康を維持するために欠かせない「マグネシウム」、神経伝達や筋収縮などに関係する「ナトリウム」などがあります。
ミネラルは、健康な体を維持するためにとても大切で、必要不可欠な栄養素です。
おしっこトラブルなど、場合によっては健康に影響を及ぼす場合もあるため、特定のミネラルの摂取に敏感になりがちですが、ミネラルは他のミネラルと結合して働くことが多い成分なので、特定のミネラル量を気にするのではなく、グループとなるミネラルのバランスに配慮して摂取することが大切です。

ここでは、猫の健康のために、特に知っておきたいミネラルの役割やバランスについてご紹介します。

ミネラルの種類

ミネラルの種類は多岐にわたり、その数は100種類以上あるとされていますが、猫の必須ミネラルは12種類。
その中でも、1日の必要摂取量が100mgを超える「主要必須ミネラル」と、1日の必要摂取量が100mg以下の「微量必須ミネラル」に分けられます。

主要必須ミネラル
カルシウム/リン/カリウム/ナトリウム/マグネシウム/塩化物(塩素、Cl、クロールと表記されることもある)

微量必須ミネラル
鉄/銅/マンガン/亜鉛/ヨウ素/セレン

ミネラルは、キャットフードの保証分析値に「粗灰分」と表示され、
含まれるミネラル分の総量が記載されているのよ。
 

リンとカルシウム

リンとカルシウムは、それぞれ結合して「リン酸カルシウム」となり、骨や歯の主成分となります。
そのため、リンとカルシウムはバランスよく摂取することが大切
体内に取り込まれたリンとカルシウムは、リン:カルシウム=1:1.2~1.5バランスが一番吸収されると言われています。

リンが多く、カルシウムが少ない場合
リンが多く、カルシウムが足りないと、血中のリンとカルシウムのバランスをとるために、骨を溶かしてカルシウムを取り出してしまうことも。
体内のリンがカルシウムより過剰な状態が続くと、おしっこに排出され、同じくおしっこに排出されたマグネシウムと結合して、ストロバイト結石(別名:リン酸アンモニウムマグネシウム)の原因となったり、本来、カルシウムと結合して「シュウ酸カルシウム」としてウンチになって排出されるはずの「シュウ酸」が体内に残り吸収され、体内でカルシウムと結合し「シュウ酸カルシウム結石」の原因になる場合もあります。
また、過剰なリンは慢性腎不全を悪化させる恐れがあるため、腎臓病の療法食はリンとカルシウムのバランスを取りつつ、リンを最小で設定しているものが多くみられます。

ささみや肉にはリンの方が多く含まれているものが多く、100gのささみ肉には
リンの量が220mgに対して、カルシウムは3mg含まれているとされているのよ。
なぬ!ささみは、ボクちんの大切な妹、ムーちゃんが大好きな食べ物であります!
ムーちゃんの命が危ないであります!
ゴロちゃん、そんなに取り乱さないで。
ムーが食べているささみのおやつは、ちゃんとリンとカルシウムのバランス
整えたものだから大丈夫なのよ。
クリもご飯係からそれをもらってるよー。
宣伝しちゃうけど「tama Marche ささみレトルト」ってやつだよ。
ささみ好きの猫ちゃんたちにおすすめだよ。

カルシウムが多く、リンが少ない場合
また、カルシウムが過剰で、リンが少ない場合、骨格の成熟遅延や重度の骨関節疾患をおこす場合もあります。

マグネシウムとカルシウムのバランス

マグネシウムもカルシウムと結合して骨や歯を作る働きをします。
マグネシウムとカルシウムのバランスは人間では、カルシウム:マグネシウム=2:1とされています。

マグネシウムが多い場合
マグネシウムが多いと、マグネシウムがおしっことして排出され、同じくおしっことして排出されたリンと結合して、ストロバイト結石(別名:リン酸アンモニウムマグネシウム)の原因となる場合があります。

マグネシウムのやつめ!憎き、にっくきー。
ボクちんたちが一番、気をつけるように言われている病気の原因だったなんて!
もう、ボクちんはマグネシウムなんて摂らないであります!
ゴロちゃん・・・、そんなに取り乱さないで。
体内で過剰になったミネラルがおしっこになってしまうのは仕方のないこと。
おしっこトラブルを防ぐためには、ミネラルバランスをとることも大切だけど、
ストロバイト結石は、おしっこpHの値を弱酸性にすることで防げる病気
でもあるのよ。
そうですよ。それにマグネシウムも欠乏すると、健康に大きな影響がでる成分
カルシウムとバランスをとって、ちゃんと摂取しましょうね。

カルシウムが多く、マグネシウムが少ない場合
マグネシウムが足りないと、心疾患の危険性が高まる、発育不全、筋肉の痙攣などが起こるとされていて、健康に大きく影響を及ぼします。

ナトリウムと塩化物

ナトリウムはカリウムと一緒に、体内の水分量を一定に保つ働きをしています。
塩化物は、細胞の外側の体液中にナトリウムと一緒に存在し、細胞外液の濃度を調整しています。
塩化物は食品中にわずかな濃度しか含まれないため、塩化物と結合した「塩化ナトリウム(食塩)」として摂取されることが多い成分です。

な、なんと!次は食塩ですと!?
そんなもの食べたら、病気になるではありませんか!
ゴロちゃん・・・、聞いてちょうだい。
私たちの血液の中にも数パーセントは、塩化ナトリウムが含まれていて、
栄養が細胞に行き渡るよう調整したり、水分の代謝も調整しているのよ。
ナトリウムって聞いて敏感になってしまうこともあるけど、私たちにとって
必要不可欠な成分でもあるのよ。
心疾患や腎疾患では、塩分を制限する必要があるけど、健康であれば
塩分の過剰摂取は考えられないそうよ。
「無塩」じゃなくって「適塩」が必要ってことだね!

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