2018.07.13

(応募は締め切りました)初恋の猫を教えてください。

(応募は締め切りました)初恋の猫を教えてください。

募集は締め切りました。

たくさんの時間を一緒に過ごせば過ごすほど、深く、大きくなる猫へのおもい。
そんな皆さまが、初めて心を奪われた猫ってどんな猫ですか?
初めて好きになった猫、いわゆる「初恋の猫」のことを教えてください。
一緒に暮らしている猫が初恋の相手だった?子供の頃、テレビで観た猫?思えば、毎日、見かけるあの子が初恋だった?
皆さんの「初恋の猫」はどんな子?いつ、どんなシチュエーションで恋に落ちましたか?

皆さまから届いた「初恋の猫」のエピソードは、毎週金曜日に発表予定です

プレゼント品

掲載させていただいた方には、掲載後500ポイントを付与させていただきます。※1
tamaのポイントは1ポイント=1円として1000ポイント単位からご利用可能です。
★ポイントは、毎週、掲載後に付与させていただきます。
★ご当選者の方へのプレゼント品は8月下旬にお届け予定です。

■募集期間:2018年8月27日(月)~
(第1回)2018年7月13日(金)14時~2018年8月26日(日)23:59。(第1回のご応募は締め切りました)



私が生まれ育った大きな港がある小さな町には、当時、外で暮らしている猫もたくさんいました。
しかし、子供の頃の私は実家で犬を飼いることもあり、猫にはさほど関心がありませんでした。
一緒に下校中の友達が地面に両手をつけて屈みこみ、車の下に隠れた猫に向かって「ニャーン」と鳴きまねをしながら猫の興味を惹こうとする姿は、私にとっていぶかしく、退屈な時間でした。
そんな私を変えた1匹の猫との出会い。
それは、上京してアパートで独り暮らしをしていた十数年前のこと。
夜中に人間の赤ん坊が泣くような声で「アオー!アオー!」と鳴き叫ぶ声が。その声の元は、人間の赤ん坊ではなく、1匹の猫。
今思えば、恋のシーズンをむかえた猫が「アオー!アオー!」と鳴いていたのでしょう。私は毎晩、深夜に猫の鳴き声で目を覚まし、眠れない日が続き、「うるさいなー!」といらだちを募らせていました。
そんな日が続いた、ある真冬の日の出来事。
その日は、凍えるような寒さをより一層、厳しくする冷たい雨が降っていました。その日の晩、飲み物を買いに行こうと、傘をさして外に出たときのこと。
今まで鳴き声しか聞いたことのなかった猫が「アオー!アオー!」と鳴きながら、私に近寄ってきたのです。これが、声しか聞いたことがなかったアオーとの初対面。
“この子がアオーか。どんな顔をしているのかな”と、「アオー!」と鳴いているアオーに恐る恐る近寄ろうとしたとき。外猫で警戒心も強いはずなのに、アオーの方から私に近寄ってきて私の顔を見ながら「アオー!アオー!」と鳴き続けるではないですか。
なんなの?文句を言いたいのはこっちなのに、なんだか、アオーに怒られている気分・・・。そんなアオーの行動に、私が怯んでいる間にアオーは「アオー!アオー!」と言いながら去って行きました。
その時のアオーはもちろん、傘なんてさしていないので冷たい雨に打たれてずぶ濡れでした。

そして、その日以降、アオーの鳴き声がピタッと止んだのです。
アオーの鳴き声が止んで数日間は“やっと静かになった。やっとこれで毎日、眠れる。”なんて思っていたのですが、それが数週間続くと、どうしたことかアオーのことを心配する気持ちが少しずつ大きくなりました。
“あの日はとっても寒い日だったから、もしかして、アオーは病気になってしまったのかも。”
“病気になって、ひとりで心細い思いをしているんじゃないか。”
“もしかしてあの時、寒いよ!って言っていたのかもしれない。”
アオーが鳴かない静かすぎる夜に、そんな風にアオーのことを考える日々が続きました。
そして、それから、さらに数日後、隣の家の庭にアオーの姿を見たとき、アオーの帰還を私は泣いて喜び、“私、アオーのこと好きなんだ!”と、自分の感情に気が付いたのです。
私は子供の頃から、外で暮らす猫を見てきました。
その頃の私は、猫って、自由で、強くって、気ままで、永遠に生きる力を持っているんだと思っていました。猫たちが弱ったり病気になったり苦しんだりするなんて想像したことがなかったのです。
アオーの声が聞こえなくなって初めて、猫にも永遠でない命があるんだ、ということを知った時、猫に対して特別な気持ちを抱くようになったのです。
それからというものの、私は、道や公園などで猫を見かけたら「ニャーン」と鳴きまねをして近寄り、その猫が車や茂みに隠れたら両手をついて屈みこみ、猫の興味を惹くように「ニャーン(怖くないよ~)。」と、あの頃はいぶかしく感じた行動をとるようになりました。