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2022.02.03

チアシードってどんなもの?猫の健康に関係する成分に注目!

チアシードってどんなもの?猫の健康に関係する成分に注目!

私たちの間では様々な流行があります。ファッションや食べ物、ライフスタイルなども流行がありますよね。
キャットフードでも同じように人気になる「トレンド」的なものがあります。でも、中にはトレンドにとどまらず、その優れた性質からいつのまにか定番になっていくものも。今回はそんなキャットフードのトレンドから、定番になっていきそうな食材に注目。キャットフードの原材料として見かけるようになってきている食材のひとつ、チアシードについてご紹介いたします。

スタッフ猫たちと一緒に、猫の健康との関係や、どんな時に活用できるのかなどを一緒に学んでいきましょう。

キャットフードに使用される、チアシードってどんなもの?


最近、キャットフードの原材料として「チアシード」が使用されることが多くなっているように思います。チアシード、人間用のダイエット食品などでもよく見かける食材で、なんとなく知っているという方が多いと思いますが、実際のところどのような食材なのでしょうか?

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ボクちん、知ってるでありますよ!このまえひっくり返したジュースに入っていたであります。

ランラン先生

ランラン先生

そうそう、人間の飲み物などに入っていますよね。でも、猫にとっても健康と若々しさに深く関係する栄養が含まれているんです。

ムー

ムー

それは聞き捨てならないわね…。ちょっと詳しく聞かせてちょうだい!

ゴロー

ゴロー

美味しいものと美に関する情報には本当に目がないでありますね…。

■チアシードの基本情報


チアシードは、南米原産のシソ科の「チア(chia)」という植物の種です。薬味としておなじみのシソの仲間というのは少々意外ですよね。

ゴマによく似た小さな粒で、小さな種子の中に驚くほどの栄養価を秘めいることが特徴で、チアシードに含まれる代表的な機能性成分には、オメガ3系脂肪酸、αリノレン酸があります。チアシードから抽出されるオイルも、健康維持に役立つ成分を豊富に含む「チアシードオイル」として注目されています。

健康維持に役立つ栄養を含むこと以外にも、もう一つ特長的なのが、水分を吸収して10倍以上に膨らみ、種の周囲をゼリー状の物質で包むという点。独特の食感が人気で、人間用のドリンクやスムージー、デザートなどのアクセントとして使われています。

 

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

チアシードってお刺身などについているシソの仲間の種だったでありますか!

ナナ

ナナ

しかもとっても生命力が強い植物で、水を与えるだけで育つから、焼き物などにチアシードを植えて小さな芽がたくさん生えてくる、ユニークなインテリア「チアペット」なんかも人気なんだって~。

ゴロー

ゴロー

へぇ~であります!って、なんでそんなことを知ってるでありますか?

ナナ

ナナ

ふふふ。ヒミツ~。

チアシードの成分、ここに注目!

チアシードに含まれるさまざまな成分の中から、猫の健康維持などに役立つ成分に注目してご紹介いたします。現在、猫のこんなことに悩んでいるというものがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。

■オメガ3、オメガ6を手軽に摂取。

チアシードのもう一つの特長として、「オメガ3」と「オメガ6」と呼ばれる不飽和脂肪酸を含んでいることがあります。
脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、飽和脂肪酸の方は体内で作ることができるのですが、不飽和脂肪酸の中の「オメガ3」と「オメガ6」は体内で作り出すことができません。

チアシードには、とくにオメガ3脂肪酸に分類される「αリノレン酸」が豊富に含まれています。
「αリノレン酸」は、体の中で代謝されてEPA、DHAになります。代表的な植物由来の油では、亜麻仁油やえごま油に多く含まれます。(青魚には「EPA、DHAが豊富」とよく耳にすると思いますが、それもオメガ3系の脂肪酸になります。)
体にうれしい「オメガ3」ですが、植物性のものは熱に弱いところが注意点。でもチアシードの形であれば、加熱することなくそのままフレッシュなαリノレン酸を摂取することができます。

さらに、チアシードにはオメガ3:オメガ6のバランスが3:1という絶妙な割合が自然の形で含まれています。
他の不飽和脂肪酸を含む食材では、オメガ6の方が多くなってしまうことが多いのですが、チアシードはオメガ3の方が多いという珍しい食材。ほかの食材と組み合わせて与えることでオメガ3とオメガ6のバランスを整えてくれます。ダイエットしたいけど毛艶も気になるという場合は、一度チアシードをダイエットに活用してみてはいかがでしょうか。

DOG's TALK

ムー

ムー

オメガ3脂肪酸は熱に弱い傾向があるから、加熱しなくても食べられるチアシードはとってもフレッシュで変質しないオメガ3脂肪酸を摂取するのにまさにぴったりね。皮膚の炎症や関節のお悩み、ムーのような若々しさを維持したい時にも役立つわよ♪

■繰り返されるおねだりに!お腹の持ちをよくするチアシード。

猫のダイエットの方法として、フードをダイエットに適した低脂質や低カロリーのものに変更する方もいますが、猫のフードの好みが激しかったり、なかなか体質に合うフードが見つからない時には「フードはそのまま、量を減らす」という選択肢をとることもあります。

この方法の場合、フードの量だけが減ってしまい、お腹を減らした猫がオヤツを欲しがったり、人の食べ物をつまみ食いしようとするというケースも。猫のおねだりやイタズラに根負けして結局オヤツを与えてしまってはダイエットもスムーズにいきません。

少ない食事の量でも満足感が得られるように、うまく食事の量をコントロールしていきたい、そんな時にはチアシードを使ってみてはいかがでしょうか。
チアシードの特長に、水を吸って大きく膨らむ特長があります。水を吸って膨らんだチアシードの食物繊維によって、消化スピードが遅くなり、お腹が減るスピードもゆるやかになる可能性があります。
すぐにお腹が減ってしまい、何度もオヤツを欲しがるような猫には、オススメです。

■グルコマンナンが、お腹の調子を整え換毛期にも大活躍。

水を吸って膨らむ不思議なチアシードですが、膨らんでいるのはこんにゃくなどに含まれているグルコマンナンという繊維質です。
グルコマンナンは水溶性食物繊維に分類される繊維質で、腸内細菌のなかでも有用菌のエサとなります。
お腹の調子が安定しにくく軟便・便秘などになりやすい猫にとって、腸内環境を整えることはとても大切。グルコマンナンは、ダイエットをサポートするだけではなく腸内環境も整えられるうれしい成分なんですね。

それから、注目したいのはグルコマンナンは換毛期の猫にも役立つ成分だということ。
換毛期の猫はグルーミングによって死毛を飲み込み、消化器の中で固まってしまうヘアボールができやすくなりますが、水を吸って膨らんだグルコマンナンは死毛をしっかりと巻き込みながら消化管を進み、ウンチとして排出しやすくしてくれます。

また、一度に大量に食べない限りはチアシードは種の殻が柔らかく、消化不良を起こしにくいといわれていますので、安心ですね。
 

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

グルコマンナンを含むものにはほかにもこんにゃくなどがありますが、やはりこちらもヘアボール対策としてよく取り入れられる食材のひとつ。季節の変わり目、抜け毛が多くなってきたなと感じたら、グルコマンナンを意識して食事の内容を変えるのも非常に重要な対策になります。
ヘアボールはウンチとして排出されれば問題ありませんが、消化管の中で固まってしまうと腸閉塞などの手術などが必要なトラブルに発展するケースもありますので注意してください。

ペット栄養管理士の、こんな猫にオススメ

チアシードが含まれているキャットフードは以下のようなお悩みを持っている猫の健康管理に役立ちます。

・皮膚・被毛、関節などのお悩みがあり、オメガ3脂肪酸を意識的に取り入れたい時
・体重管理が必要な食いしん坊な猫
・お腹の調子が安定しない猫
・換毛期のヘアボール対策を始めたい猫

「最近、便秘気味でお腹の調子が悪そう…」とか「換毛期がそろそろ始まるな」という時には、意識的にチアシードを含むフードを選んでみるのも良いと思います。
また、体重管理を意識したい時などにもオススメですので、低カロリー・低脂肪のフード以外にも、チアシードを含むフードを与えてオヤツをなくす/減らすという取り組みを選択してみるのもいいですね。
サプリメントのような感覚で、フードにチアシードをパラパラっと振りかけて与えてみるのもオススメです。

おわりに

本日はキャットフードの原材料として使用されることがあるチアシードについてご紹介しました。人間用の健康食品などでなじみ深い原材料ですが、猫にとっても役立つ栄養が含まれていますので上手く活用して役立てていきたいですね。
現在発売中の「キャッツファインフード フィレ」にはチアシードが使用されていますので、まずは与えてみて嗜好性や猫のウンチの状態などをチェックしてみるのも良いかもしれません。猫の健康維持に役立つスーパーフード、チアシードをぜひお試しください。