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2022.12.22

肉食獣にも必要!猫の健康とビタミンの関係を見てみよう

肉食獣にも必要!猫の健康とビタミンの関係を見てみよう

猫は純粋な肉食獣。
野生動物の頃の食性を色濃く残している猫たちの食事の中心を担っているのが、肉類です。
獲物を捕らえ、食べてきたご先祖の遺伝子を受け継ぎ、今でも猫に適した食事として考えられているのが動物性タンパク質(+適度な脂質)を軸にした栄養バランスです。
お肉をより多く含むキャットフードを好む子も多く、猫が肉を求めるのは本能的なものによるのかもしれません。

しかし、猫の健康を維持するためには肉を構成するタンパク質、脂質だけでは不十分。これらの栄養をきちんと体内で活用するために必要不可欠な成分も摂取する必要があります。
今回はそんな栄養素の中から、「ビタミン類」についてスタッフ猫たちが調べた内容をご紹介いたします。

ビタミンはどのように猫の健康維持に役立てられているの?

ビタミンは、体内でさまざまな場面で活用されています。
重要な働きのひとつとして、三大栄養素であるタンパク質・脂肪をエネルギーに変える"代謝"に深くかかわっています。
これは、いくらタンパク質や脂質が豊富な食事を与えても、猫が十分にビタミン類を摂取できていなければ、エネルギーとして使うことができなくなってしまうということになります。

それから、もう一つ重要なのが、細胞を合成する際に使用されるという働きもあります。
猫に限らず、すべての生き物は常に新しい細胞を作り、古い細胞と入れ替えて健康的な状態を維持しようとします。
しかしビタミンが不足している状態が続くと、細胞の再合成が滞ってしまうことに。
体の部位によって細胞が入れ替わるサイクルには違いがあるといわれていますが、ビタミンが不足している影響で、皮膚や被毛のトラブルが現れることも少なくありません。

■ 抗酸化ビタミンについて

一部の栄養には抗酸化、と呼ばれる働きを持つものがあります。
細胞を健康的に維持するのに役立つ働きで、人間では若々しく健康に過ごすために役立つものとして注目されています。

ビタミン類の中にも、抗酸化ビタミンと呼ばれるものがあります。抗酸化ビタミンには、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2などがあります。
これらのビタミンは、細胞に代わって活性酸素によるダメージを受け、細胞の老化を抑えたり、活性酸素を無害化するという働きがあるのだとか。

猫の健康維持においても、細胞を若々しく健康に維持することはとても大切。シニア期の猫の健康を意識するなら、ぜひ覚えておきたい栄養のひとつです。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

意外と色々な事に関係しているんでありますねえ。

ランラン先生

ランラン先生

猫は肉食動物といっても、お肉だけを食べていてもエネルギー不足になってしまうので、やっぱり栄養はバランスよくが基本ですね。

ムー

ムー

ムーの美しさを維持するためにもビタミンは重要ってことよね。でも、野生のムーたちの仲間はどうやってビタミンを摂っていたのかしら?

猫の仲間はどうやってビタミン類を摂取していたの?

肉食動物である猫たちではありますが、肉だけを食べていたわけではない…と考えられています。
猫の仲間である野生のライオンやトラ、ジャガーなどの大型の肉食動物が、獲物を倒した時に真っ先に食べるのは「獲物である草食動物の心臓や肝臓」なのだとか…。

動物の心臓や肝臓には猫たちが食事から摂取する必要があるビタミン類やミネラル類が豊富に含まれています。そのため、こういった内臓をしっかり食べることが野生の動物にとって必要不可欠なこと。
それから、動物の生肉に含まれる血液や骨髄なども重要な栄養源。全身に栄養を届ける血液にはさまざまな栄養が溶け込んでいますから、それもしっかり摂取することで栄養補給をしていたと考えられているのです。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ほえー。野生の仲間たちにはそんな秘密がったでありますか!

ランラン先生

ランラン先生

小型の猫では、ネズミや虫などを丸ごと食べることで内臓に含まれる栄養を摂取していたようですね。
虫の仲間や小動物の脳や神経系にはオメガ3脂肪酸も豊富に含まれていて、肉だけでは不足しやすい栄養を補うことができたようです。

ナナ

ナナ

あたちたちにも重要なビタミン類にはどんなものがあるの~?知っておけばあたちももっとパワーアップできるかも~。

猫にとって必須のビタミン類

では、猫が食事から取り入れる必要があるビタミンの種類とその特徴について見ていきましょう。


■ビタミンA

ビタミンAは、視力や皮膚・被毛の維持、骨の発達など成長の基礎につながる栄養素です。とくに視力維持に必要な視細胞を合成するために必須となります。
ビタミンAが不足すると被毛のパサつき、皮膚のかゆみなどが出ることもあります。これは皮膚や被毛を保護する皮脂を作る際にビタミンAが必要となるためです。

ちなみに、抗酸化成分でもあるβカロテンは、人間や犬の体内ではビタミンAに変換され、使われるのですが、猫はβカロテンからビタミンAを作るための酵素がありません。そのためビタミンAはビタミンAとして摂取する必要があります。
ビタミンAを豊富に含む食材には、レバーなどがあります。


■ビタミンB群(B1 / B2 / B6 / B12)

ビタミンB群にはB1やB2といったさまざまな種類が存在し、それぞれの働きは微妙には異なりますが、主にタンパク質などからエネルギーや血液を作る際に活躍するほか、神経系の健康維持にも関わるといわれています。
肉や魚、レバーなどのほかバナナやパプリカといった植物性の食材にも多く含まれています。

■ビタミンD

人間が体内で合成できるビタミンDですが、猫はビタミンDを体内で作ることが出来ません。なので、猫はビタミンDを食事から摂取する必要があります。
ビタミンDは骨や歯を育てるほか、血中カルシウム濃度を調整するためにも活用されています。
こちらも基本的には総合栄養食を食べさせている限りは不足することはありませんが、栄養としてはイワシやマグロなどの脂肪分の多い魚およびレバーに多く含まれています。

■ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があるといわれています。そのため、キャットフードの酸化防止のために使用されている側面もあります。
ビタミンEはストレスなどによって猫の体内で増えた活性酸素による細胞のダメージを軽くすることで、猫の細胞の老化を防ぎ健康的な細胞の新陳代謝を維持する働きがあるといわれています。

■ ビタミンCについて

人間では美容や健康に良いといわれるビタミンCですが、実は猫にとっては必須の栄養素ではありません。
なんと、猫はブドウ糖をもとにビタミンCを体内で合成することができるのです。
とはいえ、猫だって食欲不振のために材料となるブドウ糖が不足していたり、ビタミンCを合成する肝臓の働きが低下していると合成能力が低下し、不足することも。
高齢の猫で肝臓の働きも落ちたためにビタミンC不足になってしまうこともあるようです。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

う~~~ん。色々ありすぎて難しいでありますが、とにかくバランスよく摂取するのが大事ってことでありますね。

ランラン先生

ランラン先生

その通りです。肉食動物である猫であっても、肉ばかりを食べていても、やっぱりよくありません。総合栄養食を食べていれば不足することはないと思いますが、好き嫌いが激しいと偏りが出る可能性もありますよ。

ゴロー

ゴロー

長い目で見てバランスよく栄養をとれるようにしていければ理想的でありますね~。

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おわりに

今回は猫の健康維持に必要なビタミン類についてご紹介いたしました。
肉食動物である猫だからこそ、ビタミン類は重要な働きを持っている栄養と言えるのかもしれません。どんなものでも同じですが、適切な栄養を適切な形で与えることが何より大切。基本の食事となる総合栄養食タイプのキャットフードには、ビタミン類も十分な量含まれていますので、体調に変化が見られたら、ビタミン類のことを思い出してみる…というのも良いと思います。