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2018.09.28

Yamakoさんの初恋の猫

Yamakoさんの初恋の猫

連れて行けるものなら一緒に上京したかった。”

初恋の子の前に。一緒に暮らしている猫のことを教えてください

たわしさん

たわしさん

名前はたわしと言います。おおよそ2歳の女の子です。
2016年の12月の夜中にほろ酔いで歩いて帰宅中、靴紐が解けているのに気づき座り込んで結んでいたら、背中をよじ登って助けを求めてきました。
街灯に照らされた小さな茶色の塊はどう見ても、たわしそのもの。寒い日だったので放っておけず連れ帰りました。
翌日病院に連れて行くと870gと小柄だけど歯の様子からおおよそ生後4ヶ月過ぎと言われました。その日からちびっこたわしとの楽しい毎日が始まりました。
しかし、7ヶ月になる前には体重にもよるけど避妊手術をと言われ、再び病院に連れて行ったところで、衝撃の事実が発覚。なんと図鑑に載るレベルのものすごく珍しい先天性の心疾患を患っていることがわかったのです。完全型房室中隔欠損。通常4つの部屋に分かれている心臓の内膜が全く育たず、1ルームの心臓だと。
そのため常に低酸素状態。内膜に小さな穴が空いてる子はよく居るけどここまで完全に壁がないなんて…と先生に絶句されました。
全身麻酔は心臓が耐えられないから避妊手術もできないし、この病院では何もしてあげられないと。
そこから自分で色んな病院を探し現在心臓専門の先生に巡り会い、その先生も前例がほとんどないので手探り状態でしたが、投薬治療を開始して今に至ります。
1歳までとても生きられないと言われた子がもうすぐ2歳。おっとりしていますが遊び好きだし、食欲もあります!体重は2キロちょいから増えませんが、先生も驚くほど元気に生きています。
避妊手術できないので発情もしますが、発情できるって事は元気な証拠だと言われています。防音マンションで完全室内暮らし。
たわしさんがこれからも苦しまず長生きできるよう共に生きていこうと思っています

猫のことを大切に思うきっかけとなった、猫への初恋を教えてください

大学受験を控えた秋。実家の一階の窓辺にふらりと黒猫さんが遊びに来るようになりました。
とても人懐っこく、窓越しにコミュニケーションを取っていたら、そのうち中に入れてとおねだりしてくるように。実家は私以外、犬猫に興味がなく、家に入れるなんてもってのほかだったので、最初は何度もためらいましたが、ついに入れてしまいました。
田舎だったので幸い家も広く夕方は家族全員バタバタ忙しいので、全く気づかれず。急いで自分の部屋に連れて行くと、黒猫さんは私の部屋でまどろみ出し私の膝の上で眠りに落ちました。
しばらくたち、晩御飯の時間になって自分の部屋を出なければいけなかったので、1匹部屋に残して行っても可哀想と一階の窓からお外に返しました。
それからも毎日黒猫さんはやってきて、私の部屋で寛ぐようになり、11月くらいになったある日。母親が突然何か言いながら階段を登って私の部屋に向かってくる音がしました。私はとっさに黒猫さんを狭いベランダに出し、カーテンを閉めました。母親が私にひとしきり用事を話し出て行くまでの間、猫の存在に気づかれることはありませんでした。
母親が出て行ってから、急いでベランダを確認すると、黒猫さんはもういませんでした。
驚いたことにその日以来、黒猫さんは2階のベランダにやってくるようになりました。私の部屋にいる間はオシッコやウンチなどの粗相もせずただひたすら私に甘えべったりくっついていました。
東京の大学に合格し3月末に上京するまでずっと遊びに来てくれた黒猫さん。別れが寂しくて涙が止まりませんでした。連れて行けるものなら一緒に上京したかった。40過ぎた今でも思い出します。黒猫さんと過ごした約半年。