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2018.11.22

おかさんの初恋の猫

おかさんの初恋の猫

“物語に出てくる不思議な力を持っていそうな、そんな姿と凛とした美しい姿は
写真だけで十分に私の心を射抜いたことを今でも忘れることができません。”

初恋の子の前に。一緒に暮らしている猫のことを教えてください

ソマリの男の子、9月で2歳になります。非常に自由奔放、そのくせ構ってちゃんで放置されることが嫌いという、ちょっとめんどくさい性格の持ち主です。
アグレッシブで挑戦心に富んでいるため、予測不能な行動に出て驚かされることもしばしば。そんなに行動的なら、さぞや運動神経が良いのだろうと思う方もいらっしゃるかもしれません。期待を見事に裏切ってくれるところも個性です。絶妙に鈍くさく、猫なのに足音が「どすどすどす!」失敗も多いのですがそれを見られると軽くスネてしまうところもご愛嬌。
なんだかカッコ悪いところばかり書いてしまいましたが、彼の本当に素晴らしいところは「人見知りもせず、お客さんに最高のサービスを提供できる外交官」であるというところ!鼻先をちょん、とくっつけてご挨拶をしたあとは、すりすりゴロゴロ。猫好きの方には喜んでいただける外交を展開してくれます。

猫のことを大切に思うきっかけとなった、猫への初恋を教えてください

私の猫への初恋は、そう。幼稚園か小学校低学年だったかの頃。
犬も猫も大好きだった私は、一緒に暮らすことを長らく夢見ていました。しかし父の仕事の都合で転勤、転勤、さらに転勤で挙句の果てには海外へ。この状況では動物など飼えるはずもなく、そんな孫娘を見て祖母はさすがに不憫に思ったのでしょう。一冊の図鑑を買ってくれました。
中には世界中の犬たち・猫たちが写真つきで紹介されていました。当時から無駄にいろいろなことを妄想するのが好きな子どもだった私は、犬種や猫種の名前と特徴などを見て犬たちや猫たちとの暮らしに胸を膨らませる日々が続いていました。
そんなある日、いつものように図鑑を広げてそこに登場している猫を眺めて妄想を繰り広げていると、目に留まったのが、なんとも不思議な色合いの毛並みを持った猫。くっきりと大きな黄色ともグリーンとも違う色の目、そして長い手足にブラシのような尾を持つ猫は、キツネのような、犬のような、なんとも不可思議な姿をしていました。物語に出てくる不思議な力を持っていそうな、そんな姿と凛とした美しい姿は写真だけで十分に私の心を射抜いたことを今でも忘れることができません。
猫種の名前は「ソマリ」。特徴の欄には「非常に活動的で知的な猫。少々神経質なところもあるが、人懐こく楽しい性格。美しい容姿と泣き声からバレリーナにもたとえられる」……幼い私の心はすっかりその言葉にときめいてしまいました。
「私は絶対、このバレリーナみたいに優雅で素敵な猫と暮らすんだ!!」幼い決意が現実のものとなり、「あれ?優雅…?」と思いつつも楽しいドタバタコメディチックな日々を過ごすことになったのは、私が社会人になってからでした。