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2022.03.10

まずは知っておきたい、猫の腸内環境を整えるための基礎知識!

まずは知っておきたい、猫の腸内環境を整えるための基礎知識!


猫の健康に関するトピックスでたびたび登場する腸内環境。腸内環境を整えることで猫の健康に何かと良い影響があることは多くの方がご存知だと思います。
でもよく使われているからこそ、なんとなく知っているような気になっているものの、実は分かりにくい言葉もあったりします。
そこで本日は、猫の腸内環境を整えたい時に知っておくと役立つ情報をまとめてみました。猫の腸内環境を整えたい時、「これってどういう意味だっけ?」となった時などにチェックしてみてください。

猫の腸内環境が崩れるってどういうこと?

猫が軟便を繰り返してしまったり、便秘になってしまった時に「腸内細菌のバランスが崩れている」といわれることがあります。これっていったいどういう状態なのでしょうか?
猫などの哺乳類は腸の中に一定数の細菌を持っていて、これらの細菌の中には消化吸収をサポートしたり、役立つ成分を作るものがいる一方、悪さをするものもいます。健康維持に役立つ細菌、悪さをする細菌、そしてそれ以外の細菌(いわゆる日和見菌)含めてすべてを腸内細菌と呼んでいます。これらの腸内細菌たちが互いに影響し合いながら、バランスよく存在している状態が理想的といわれています。
それぞれの菌をしっかり腸内で増やしつつ、さまざまな種類の腸内細菌が一定数が存在できているのが「腸内細菌のバランスがとれている」という状態です。

ストレスや免疫低下などの体調不良によって、どちらでもない日和見菌が悪玉の方に偏ったり、エサとなる繊維質が少ないと菌同士でエサの奪い合いが起きたり、特定の菌が繁殖するような状態になることがあります。この状態を「腸内環境が乱れている」状態と呼びます。
腸内環境が乱れると、腸が本来持っている機能を十分に発揮することができず、腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、悪玉菌によるガスの発生などの悪影響から、やがて便秘などの症状が現れてしまいます。

猫の腸内環境を意識するメリット

腸内環境を意識することで、様々なメリットがあります。具体的には腸内環境を理想的な状態で維持することができれば、軟便・便秘などのウンチに関連するトラブルを減らすことに繋がる可能性があります。何かと下痢や軟便を繰り返してしまう傾向がある猫は、特に腸内環境を意識するのが良いかもしれません。

また、腸内環境を整えることは猫の免疫系のサポートにもつながるといわれています。
哺乳類は腸内の粘膜にたくさんの免疫細胞を持っていて、これらの免疫細胞は消化された食べ物から得られる栄養と一緒に体内に入ってくるウイルスや有害な物質と戦うために日夜働いています。実は体内に存在している免疫細胞のうち、もっとも免疫細胞が集まっているのが腸の中なのです。
腸の中にある免疫細胞は異物やウイルスの情報を学習し、抗体を作る働きもしています。体中に存在しているほかの免疫細胞と情報共有をして、しっかりとした防衛システムを作るためにも、腸の中の免疫細胞はとても重要な役割を持っているのです。
腸内細菌の中には、免疫を活性化させる物質を作るものがあります。このような菌が腸内にいる状態を維持することで、結果的に全身の免疫系の健康維持にもつながるのでは、という考え方が注目を集めているのです。

腸内環境に関するキーワード解説

猫の健康維持のために腸内環境に関する記事やアイテムの説明を読んでいると、ちょっと難しい用語が登場することがあります。その中でも特に違いが分かりにくい、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「シンバイオティクス」について解説いたします。

■プロバイオティクスとは?

キャットフードなどに使用される「プロバイオティクス」は、腸内細菌のバランスを整え、健康に役立つ、生きた微生物のことを指します。

病気の治療のために抗生物質を必要としていて、定期的に抗生物質を与えることで腸内細菌が減ってしまっていたり、下痢などが続いて腸内環境が大きく崩れている場合に、プロバイオティクスで腸内細菌を補うのがいいといわれています。

※抗生物質は体内で増えてしまった細菌を減らす働きを持っていますが、腸内細菌にも影響してしまうことがあります。

食品としては、納豆菌を含む納豆や生きた菌が含まれるヨーグルトなどの発酵食品がこれに該当します。

■プレバイオティクスとは?

プロバイオティクスとよく似た名前をしているプレバイオティクス。こちらは、大腸の特定の細菌を活性化したり、増殖させることで有益に働く難消化性食品成分と定義されています。
プレバイオティクスはもともと猫の腸内にもともと存在している細菌のエサという側面が強いです。プレバイオティクスを定期的に取り入れることで腸内細菌たちが十分に増え、元気に働くことができます。
下痢や便秘のときよりも、毎日の「予防」や「腸の健康維持」という目的で日常的・持続的に摂取するのがオススメです。
キャットフードに使用されているものとしては、フードや猫のオヤツでおなじみのオリゴ糖の仲間や水溶性食物繊維などがプレバイオティクスに該当します。

■シンバイオティクスとは?

人間用の健康食品や乳製品などで、最近よく聞くシンバイオティクスという言葉もあります。これも腸内環境に関係するキーワードのひとつです。
シンバイオティクスは、「プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせることで体調を整える」ものです。
具体的には、生きたビフィズス菌や乳酸菌と、オリゴ糖や食物繊維を同時に摂取することで、腸内で有用菌をより一層活性化させようというものです。
この働きはもちろん猫にとっても役立つものとなります。ちょっとしたオヤツなどとしてシンバイオティクスが使われた無糖のヨーグルトなどを与えてみるのも良いかもしれませんね。
オリゴ糖や水溶性食物繊維を含むキャットフードにヨーグルトを組み合わせて与えることでも、シンバイオティクスの実践になります。

■バイオジェニックスとは?

近年、注目を集めつつあるのが「バイオジェニックス」という考え方。
バイオジェニックスは、腸内フローラを介さず体に直接働きかける乳酸菌の生産物質などを指します。死んだ菌も含めて乳酸菌の作り出す物質(代謝産物と菌体成分)が、腸内の免疫機能を刺激することで体全体の免疫系の健康的な働きをサポートし、腸内フローラにも良い影響を与えるというメカニズムです。
乳酸菌体ペプチド、乳酸菌生産生理活性ペプチド、植物フラボノイド、DHA、EPA、ビタミンA・C・E、β-カロテンなどがバイオジェニックスとして注目されています。

おわりに

今回は猫の腸内環境を理解するときに役立つ基本的な情報をまとめてみました。
私たち人間の健康情報などでもよく登場する腸内細菌やそれに関連する言葉ですが、よく聞くからこそ、改めて深く調べてみると「そういう意味だったのね」と納得する部分もありました。
健康維持に関連する情報は、正しく知ることがとても大切です。プロバイオティクスとプレバイオティクスのようによく似たキーワードでも取り入れたい場面などが異なるケースもあるので、それぞれをうまく取り入れてみてください。