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2024.01.04

今こそ改めて知ってほしい「グレインフリー」を解説します![#キャットフードの基礎]

今こそ改めて知ってほしい「グレインフリー」を解説します![#キャットフードの基礎]

猫にいつまでも元気で健康でいてもらうために、食事についてしっかりと知りたいと考えている方は多いですよね。
最近ではすっかりメジャーになったキャットフードの特長を表す言葉に『グレインフリー』があります。今ではさまざまな場面で見かけるようになった言葉ですが、グレインフリーとは一体、どんな意味なのでしょうか?
また、どんな猫にどのように与えるのが良いのでしょうか?
今ではさまざまなところで見かけるからこそ、改めて知っておきたいキャットフードの基礎知識として『グレインフリー』についてご紹介します。

キャットフードの用語グレインフリーとは?

グレインフリーとは、「穀類を使用していない」という意味です。
グレインフリーと表記されているキャットフードには、米や小麦、とうもろこしなどの穀物が一切入っていません。一般的に小麦、トウモロコシ、オーツ麦、大麦、米など禾穀類(イネ科)が含まれていないものをグレインフリーと定義しています。

かつて、猫用のドライフードとして販売されているものには主な原材料として穀類を使用しているものが見受けられました。
しかし、近年では純粋な肉食動物である猫たちには、やはり肉をメインとした食事の方が適しているという考え方が主流になりつつあります。
実際、グレインフリーのキャットフードに使用される主な原材料は、肉や魚といった猫にとって必要なタンパク質を豊富に含む食材です。穀類を多く含む食事と比較して、消化が良いといわれています。

ただし、グレインフリーでキャットフードを作る場合、栄養成分の調整や粒を固めるために様々な原材料を使用する必要があったり、品質や原材料にこだわっているため、グレインフリーではないキャットフードと比較して価格は高めとなっています。

グレインフリーのメリットとデメリット

グレインフリーのキャットフードを与えることには、メリットがあります。一方、デメリットとされるものもあるので、簡単にチェックしていきましょう。

 

■グレインフリーキャットフードを選ぶメリット

グレインフリーキャットフードを選ぶことで得られる最大のメリットは、肉食動物である猫に適した食事を与えられるということです。
人間では、エネルギー源として利用できる栄養素は三大栄養素と呼ばれています。タンパク質、脂質、炭水化物の三つがそれに該当し、これらをバランスよく食事から摂取することが大切だといわれています。
人間はこの3つの栄養をそれぞれ調理という手間を加えることで消化吸収やエネルギー活用をしやすくしています。様々な食事から栄養を取ることができる人間は「雑食」ということになりますね。

ところが、猫は完全な肉食動物です。
野生の猫の仲間は獲物をハンティングして、その生肉や内臓、骨髄などから様々な栄養を摂取しています。
肉類ばかりを食べていたので、主にエネルギー源として活用しているのは肉を構成するタンパク質、そして脂質です。
一方、肉には炭水化物はほとんど含まれないため、猫は炭水化物を摂取してもあまり上手に活用することができないと考えられています。
猫本来の食性に合わせたキャットフードを選ぶことは、「猫に猫らしくいてもらう」ということにもつながるのかもしれません。

 

■グレインフリーのデメリットは?

グレインフリーのキャットフードは猫にとって理想的なごはんのように感じるかもしれません。
でも、すべての猫にグレインフリーキャットフードが適しているというわけはありません。体質的に合わない、という子もいますし、それ以外にも人によってデメリットと感じる部分もあります。
まず、どうしても使用するお肉の比率が高くなるとキャットフードの価格も高くなりやすい傾向にあります。

また、グレインフリーキャットフードでは、お肉をたっぷり使用しているために、タンパク質とリンが多く含まれがちになります。
多くの猫は加齢とともに腎臓の機能が徐々に低下し、やがて慢性腎臓病になるといわれています。腎臓の機能が低下した猫は、リンを過剰に摂取することは腎臓に負担をかけることになります。(しかし、グレインフリーでも、リンの値を抑えたフードもあるので、分析値をチェックしてみましょう。)

猫と穀物アレルギー

もうひとつ、よく言われていることに、穀物は猫の食物アレルギーの原因になりやすいというものがあります。
だから、猫には穀物が含まれないグレインフリーのキャットフードが適しているのだという意見を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、穀物が猫の食物アレルギーを優位に引き起こしやすいというはっきりとした証拠はありません。

長く接触してきたタンパク質ほどアレルギー源になりやすい傾向があります。
ですから、長く穀物を食べてきた猫であれば、それだけ穀物がアレルギー源になる可能性が高くなります。
しかし、同じようにチキンを食べ続けてきた猫はチキンに、サーモンを食べ続けてきた猫はサーモンにアレルギー反応が出やすくなります。穀物だけが優位に猫の食物アレルギーに繋がりやすいということは断言できません。

とはいえ、猫の穀類アレルギーは確かに存在していますので、穀類アレルギーがある猫にとっては穀類を含まないグレインフリーキャットフードは重要な選択肢となります。

グレインフリーはどんな猫に向いているの?

改めてグレインフリーキャットフードが特にどのような猫の食事として適しているかをまとめてみましょう。


【グレインフリーがオススメの猫】
・穀物にアレルギーがあることが分かっている猫
・運動量が多い猫
・筋肉質な猫種
・小食な猫


一緒に暮らす猫がこれらの特長に当てはまるようであれば、グレインフリーのキャットフードに切り替えることを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、改めて知りたいキャットフードの個性を表す「グレインフリー」という言葉の意味についてご紹介いたしました。
今ではよく見るようになった言葉ではありますが、どんな原材料が使用されないようレシピが設計されているのか、分かりにくくなっているのも事実です。
グレインフリーなら何でも良い、ということもなく、猫の状況や体調によってはグレインフリーが適さないケースもありますので、フード選びの際には慎重に判断する必要があります。