- コラム
2025.02.20
猫にとうもろこしは大丈夫?キャットフードにも使われる理由と安全性を解説[#調査隊レポート]
![猫にとうもろこしは大丈夫?キャットフードにも使われる理由と安全性を解説[#調査隊レポート]](../../../../ext/magazine/images/10087_00031_1.jpg)
キャットフードの原材料を見ていると、これって何だろう?だったり、これって猫が食べ続けても大丈夫なのかな?と気になる原材料を見かけることも。
今回は、猫にとうもろこしを与えても大丈夫なのかについて、キャットフードにも使われている理由や安全性とあわせて解説します。
猫にとうもろこしを与えても大丈夫?
結論として、とうもろこしには猫が中毒を起こすような物質は含まれていないため、与えても問題ありません。しかし、穀物・でんぷんアレルギーがある猫にはとうもろこしを含むキャットフードは与えないようにしましょう。
生のとうもろこしは消化しにくいため、与える際はゆでる・蒸す・加熱するなどをしてから、芯から実を取り出し、薄皮ごと細かく刻んだり薄皮をすりつぶしたりし、オヤツとして適量(主食の10%程度を目安)を与えるようにしましょう。
また、とうもろこしは野菜の中でも糖質が高めで高カロリーな食材です。
とうもろこしに含まれる栄養素と猫の体への影響

とうもろこしに含まれる栄養素
こちらでは、とうもろこしに含まれる栄養素と、猫の体への影響についてご説明します。
カリウム
カリウムは体液の浸透圧を調整するための役割を持ち、細胞を正常な状態に保つために必要なミネラルの一種です。
また、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出し、血圧を下げる作用も持ちあわせていることから、生命活動に不可欠な要素といえます。
食物繊維
食物繊維は血糖値の急上昇を抑えたり、コレステロールを体外に排出したりする作用を持ちます。
とうもろこしには便の量を増やして排便を促す食物繊維が多く含まれており、排便促進が期待できます。
ビタミンB群
とうもろこしは脳や心臓、肝臓、腎臓といった重要な器官の働きを正常に維持する作用を持つ栄養素であるビタミンB群を含みます。タンパク質や炭水化物、糖の代謝をサポートする役割を持っており、生命活動に必要なエネルギーを生成します。
炭水化物
炭水化物は人間にとっては脳や体を動かすエネルギー源として作用する重要な栄養素ですが、猫にとっては人間ほど重要な栄養素ではありません。
しかし、炭水化物にはおなかの調子を整えたり、腸内菌を増やしたりする食物繊維を含むので、上手に取り入れて健康サポートに役立てたい栄養素です。
キャットフードにとうもろこしが使用される理由とは?
キャットフードにとうもろこしが含まれる理由のひとつとして、便秘解消に効果が期待できるからという理由が挙げられます。先述の通り、とうもろこしに含まれる食物繊維は排便促進が期待できます。
とうもろこしがキャットフードに与えるメリットとデメリット
猫がとうもろこしを食べることで、エネルギーの生成や、とうもろこしに含まれる食物繊維が便秘の解消に役立つといった効果が期待できます。これらの効果をとうもろこしでまかなうことができるため、とうもろこしを含んだキャットフードが流通しています。
一方、過剰に摂取すると肥満や糖尿病を引き起こす可能性があり、さらに野菜の中では腎臓の健康に大きく影響する《リン》が多く含まれるため、とうもろこしを使ったキャットフードが気になる場合は、成分分析値の《リン》の値を必ずチェックするようにしましょう。中毒となる有害物質が含まれていないとはいえ、どのような食事でも過剰摂取は体調を崩してしまう要因となるのです。
猫にとうもろこしを与えるときの注意点と安全な与え方
猫にとうもろこしを与えるときは、下記のポイントに注意して与えましょう。
適切な量と頻度の目安
猫のとうもろこしを積極的にあげる必要はありませんが、私たちが食べている際に興味を持って欲しがる子もや、中にはとうもろこしが好きだという猫もいるものです。猫にとうもろこしを単体で与える場合は、主食の10%程度を目安に与えるようにしましょう。
調理方法と安全に与えるためのポイント
猫にとうもろこしを与える際は、消化しやすいようにゆでる・蒸す・加熱するといった調理をしてから与えましょう。また、とうもろこしの芯や皮は消化しにくいことから、取り除くか、薄皮ごとに細かく刻む、薄皮と一緒にすりつぶすなどして与えます。
猫がとうもろこしアレルギーを起こす可能性について

猫がとうもろこしアレルギーを起こす
とうもろこしには猫の毒となる成分は含まれていませんが、かゆみや皮膚トラブルなどを引き起こす可能性があります。
とはいえ、食物アレルギーの原因となる物質のアレルゲンの大部分は食物に含まれるタンパク質。とうもろこしに含まれるタンパク質に、特別多くアレルゲンが含まれているわけではありません。そのため、とうもろこしが原因でアレルギー反応を起こしやすいといった情報はミスリード。
もし、かゆみなどが発生した場合は、動物病院に行って相談しましょう。
とうもろこしを使ったレシピ
猫にとうもろこしを与える際はペースト状にしてからキャットフードにトッピングする、などの楽しみ方があります。そのほかには、しっかりと水分を含んだとうもろこしをみじん切りにして、かつお節を上にのせた食事もおすすめできます。
この食事は水を飲みたがらない猫でも水分補給が可能ですが、しっかりと冷ましてから与えましょう。
おわりに
今回は、猫にとうもろこしを与えるとどうなるのかについて解説しました。
結論として、とうもろこしには猫が中毒を起こすような物質は含まれていないため、与えても問題ありません。とうもろこしにはカリウムや食物繊維、ビタミンB群、炭水化物といったさまざまな栄養素が含まれています。しかし、過剰摂取すると肥満や糖尿病、腎臓の健康に影響を及ぼすことがあります。
猫によってはアレルギーを発症してしまうことがあるため、合わなかった場合は与えないようにしましょう。