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2018.05.09

「慢性腎臓病」予防を心がけよう

「慢性腎臓病」予防を心がけよう

ガンと同様に、家で暮らす猫たちの死亡原因上位を占める病気「慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)」。
「慢性腎臓病」は、“7歳以上の猫たちが発症する病気の中で、最も多い病気”とも言われ、15歳以上の猫では、実に30%以上が「慢性腎臓病」を患っているとも言われています。
進行性の病気であるため完治することが難しく、治療せずに放置しておくと機能が低下し続け、最悪の場合「腎不全」や「尿毒症」を起こし、重篤な状態に至ることも。
初期症状が加齢による変化と誤解されやすいので見過ごされがちですが、早期発見によって進行を遅らせたり、日々の食事などから「慢性腎臓病」にかかるリスクを軽減することができます。
ここでは、腎臓の働きや「慢性腎臓病」の初期症状についてまとめました。
猫がかかりやすい病気「慢性腎臓病」のことをよく理解し、腎臓の健康維持を心がけましょう。

猫の体には左右に1つずつ、合わせて2つの腎臓があります。
腎臓には、健康を維持するために様々な役割がありますが、代表的な働きは“おしっこを作る”ということ。
腎臓にある「ネフロン」が、主に《ろ過》や《再吸収》、《濃縮》などを行い、おしっこを作っています。
猫には40万個、犬には80万個、人間には200万個のネフロンがあるといわれています。

「ネフロン」の代表的な働き

■ろ過

老廃物を含んだ血液をろ過し、きれいにした血液は体内に戻し、老廃物を含んだおしっこの元となる「原尿」を作る。

■再吸収

ろ過された「原尿」から、必要な水分を再吸収し体内に戻す。
(元々、砂漠の生き物である猫の「ネフロン」は、水の少ない環境で生きていくために、摂取した水分を体内に残すために再吸収の機能に重点を置いている、といわれています。)

■濃縮

必要な水分が取りだされた「原尿」を濃縮しておしっこを作る。

このように、腎臓は「ネフロン」という組織が、血液から老廃物を取り除き、きれいにした血液は体に戻し、老廃物はおしっこへ、必要な水分は再吸収し、体内に戻すといった、重要な役割を担っています。
では、その腎臓がうまく機能しなくなる「慢性腎臓病」とは、どんな病気なのでしょう。

「慢性腎臓病」とは、腎臓の中で血液をろ過し、おしっこを作る組織である「ネフロン」が徐々に壊れていく病気。
しかしネフロンは、一部のネフロンが壊れても、腎機能を維持するために、残ったネフロンが壊れたネフロンの分まで働きます。
そのため、「慢性腎臓病」が進行していても、猫は普段通りの生活を送っているように見えます。
しかし、一度壊れたネフロンは再生しません。そのため、残ったネフロンに負担がかかり、さらにネフロンは壊れてしまいます。こうして「慢性腎臓病」は、私たちが気が付かないうちに進行してしまうのです。これが、「慢性腎臓病」を初期の段階で発見するのは難しい、と言われる所以でもあります。
「慢性腎臓病」の症状は、残りのネフロンが半分以下になった頃に現れると言われています。

チェック「最近、お水の量が増えたみたい」「おしっこの回数が増えてる」そんな症状ありませんか?

「慢性腎臓病」が進行し、腎臓の機能が低下すると、水分の再吸収が上手く行われなくなり、再吸収できなかった水分がおしっことなるため、おしっこの量が増え脱水症状になってしまいます。脱水症状になるとのどが渇くため、たくさんのお水を飲むようになります。しかし、たくさんのお水を飲んでも、再吸収を上手く行うことができないので、水分はまたおしっことして排出されます。
そのため、「慢性腎臓病」の初期症状としては多飲多尿となるケースが多く、「最近お水をたくさん飲む。」「おしっこの回数や量が多いみたい。」といったことから、病院に向かう方も多いようです。
また、脱水することによって、毛艶が悪くなったり、便秘になるなどの症状がでます。

■ 猫の慢性腎臓病の初期症状

・水をよく飲むようになった
・おしっこの回数や量が増えた
・便秘がちになった
・毛並みが悪くなった
・食欲がなくなってきた
・やせてきた
・よく吐く

※ちなみに犬のネフロンは、猫とは違い、《ろ過》に重点をおいているため、腎臓に障害が起こった場合、《ろ過》機能が低下することが多く、老廃物が体の中に溜まりやすくなり、全身に毒素が回るため、尿毒症に陥りやすいとされています。

では、どうして猫は「慢性腎臓病」の発症率が高いのでしょうか?

残念ながら、猫が「慢性腎臓病」にかかる原因は、まだはっきりと解明されていません。
一般に、ストルバイト結石などのおしっこトラブルや、「猫白血病ウイルス(FeLV)」や「猫免疫不全ウイルス(FIV)」、「猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIV)」などのウイルス性の感染症にかかったことのある猫では、「慢性腎臓病」のリスクが高まるとも言われています。
また、一説では飲水量が少ないため、摂取した水分を《再吸収》や《濃縮》をする際に、腎臓に負担がかかり、徐々にネフロンが壊れていくのではないか、とも言われています。
水分不足は、腎臓のトラブルだけではなく、ストルバイト結石などのおしっこトラブルも招きやすいので、水分が摂りやすい環境や食事は猫にとって、とても大切なことなのです。

■腎臓の健康維持なら、日頃からたっぷりの水分補給を。

まずは、若いころからできるだけ腎臓に負担をかけないよう水分補給を心がけることが健康維持にとって大切。
水分をたくさん摂ることで、腎臓への負担を和らげたり、ストラバイト結石などのおしっこトラブルのリスク軽減にも繋がります。普段から、ウェットフードやスープなどで積極的に猫たちに水分を与えましょう。
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「慢性腎臓病」の初期症状として現れる、再吸収が上手く行われなくなることから起こる「便秘」の症状もあります。
便秘を放っておくと、私たち人間同様、猫たちもお腹が張って苦しいばかりか、腸内環境のバランスが崩れて免疫力が下がったり、ウンチとして排出されなかった毒素が腸内の欠陥に再吸収されるなど、体に悪い影響を与えます。
猫たちが便秘で苦しんでいるようなら、サプリメントでサポートしてあげるのも一手。

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