- コラム
- 猫研究所
2026.07.16
猫は暑さに弱い?寒さに弱い?知っておきたい季節ごとの健康リスク[#猫研究所]
猫と暮らしていると、夏は「熱中症が心配」、冬は「寒くないかな?」と気になるものです。
では実際に、猫は暑さと寒さのどちらに弱いのでしょうか。結論からお伝えすると、健康な室内猫の場合、より注意したいのは暑さです。
もちろん寒さによる体調不良もありますが、暑さは短時間で命に関わる状態へ進行する可能性があります。一方で、寒さは比較的対策がしやすく、猫自身も暖かい場所を探して体温を維持しようとします。
今回は、猫の体の仕組みから、暑さと寒さそれぞれのリスクについて、スタッフ猫のコメントともに詳しく解説します。

猫は暑さと寒さどちらが危険なの?
猫の祖先であるリビアヤマネコは砂漠地帯で暮らしていたため暑さに強いと思われがちです。しかし、それは暑い環境の中で活動していたという意味ではありません。
リビアヤマネコは、日中の強い日差しを避けて岩陰などで休み、比較的涼しい朝夕や夜に活動していたと考えられています。
つまり猫は、暑さに耐えることで生きてきたのではなく、暑さを避けることで環境に適応してきた動物なのです。実際には猫も熱中症のリスクと無縁ではありません。
現代の猫は室内で暮らし、運動量や生活環境も野生時代とは大きく異なります。また、体温調節の方法には限界があるため、高温多湿の日本の夏は猫にとって大きな負担となります。
一方で寒さも苦手です。冬になると暖房の前や毛布の中で丸くなっている姿を見かけることが多いでしょう。
ただし、健康な成猫であれば寒さへの対応策を自ら取ることができます。
そのため、一般的な室内猫では、寒さの不快感 < 暑さによる健康リスク、となることが少なくありません。


-
ゴロー
砂漠の猫がご先祖なら、ボクちんは暑さなんて平気であります!

-
ランラン先生
それは大きな誤解ですね。確かに祖先は乾燥地帯で暮らしていましたが、現在の猫は高温多湿の日本の夏に適応しているわけではありません。

-
ムー
祖先が砂漠だからって、夏のエアコンを切っていい理由にはならないってことね。
猫はなぜ暑さに弱いのか?
汗をかいて体温を下げるのが苦手
人間は全身の汗腺から汗を出し、蒸発させることで体温を下げています。
しかし猫の汗腺は主に肉球周辺にしかありません。
そのため、人間のように大量の汗をかいて体温調節することができず、熱が体内にこもりやすい特徴があります。
暑い日に肉球が少し湿っていることがありますが、それだけでは十分な放熱はできません。
犬のような口呼吸も得意ではない
犬は暑くなると「ハァハァ」と呼吸しながら体温を下げます。
一方、猫は基本的に鼻呼吸です。猫が口を開けて呼吸している場合は、かなり体温が上昇している可能性がある他、心臓や肺の病気など、命に関わる重大な変化が起こっている危険性もあります・
特に、
・口を開けて呼吸する
・よだれが増える
・ぐったりして動かない
といった症状が見られた場合は注意が必要です。
熱中症は短時間で重症化することも
真夏の室内では、人間が思う以上に温度が上昇します。
特に、
・エアコンを切った部屋
・西日が当たる部屋
・風通しの悪い場所
などでは急激に室温が上昇します。
猫は不調を隠すのが上手な動物です。
そのため、気づいた時には脱水や熱中症が進行していることもあります。暑さによる脱水は腎臓にも負担をかけるため、特にシニア猫では注意したいポイントです。


-
王子
ボクたちは汗をかけないのだ。

-
ゴロー
だから夏になると廊下のひんやりした場所を探すであります。

-
ランラン先生
それも体温を下げるための行動ですね。しかし、それだけでは暑さに対応しきれない場合があります。特に室温が高いままだと熱中症のリスクが高まります。
猫は寒さにも注意が必要
猫は暖かい環境を好む動物
猫の平熱はおよそ38~39℃。人間より高い体温を維持しているため、体温を維持するためのエネルギーも多く必要です。
そのため寒い場所よりも暖かい場所を好みます。
冬になると、
・日なたで寝る
・毛布にもぐる
・暖房器具の近くに集まる
といった行動が増えるのは自然なことです。
寒さに弱い猫もいる
寒さへの強さには個体差があります。
特に注意したいのは、
・子猫
・高齢猫
・病気治療中の猫
・痩せている猫
・短毛種や無毛種
です。
これらの猫は体温維持が難しくなるため、寒い環境では体調を崩しやすくなります。
冬に起こりやすいトラブル
寒さによって起こる問題には、
・低体温
・食欲低下
・関節の違和感
・持病の悪化
などがあります。
特にシニア猫では、寒さによって活動量が減り、体力が落ちることもあります。
冬場は寝床を暖かく保ち、快適に休める場所を増やしてあげることが大切です。


-
ムー
冬は暖かい場所の取り合いになるのよね。

-
ゴロー
気付いたらお気に入りの場所を取られているであります。

-
王子
暖かい場所を探すのは猫として当然なのだ。
猫にとって本当に危険なのはどっち?
ここで暑さと寒さを比較してみましょう。
暑さのリスク
・熱中症
・脱水
・食欲低下
・腎臓への負担
・短時間で重症化する可能性
寒さのリスク
・低体温症
・関節への負担
・活動量低下
・持病の悪化
どちらも注意は必要ですが、健康な室内猫の場合、より命に関わるリスクが高いのは暑さ、と考えられています。
そのため、夏の環境管理は特に重要です。


-
ゴロー
ボクちん的には冬の朝が一番つらいであります。

-
ナナ
あたちは毛が長いから、真夏の方が堪えちゃう。

-
ランラン先生
命に関わるリスクという点では、暑さの方が注意が必要ですね。
季節ごとの健康管理のポイント
夏に意識したいこと
・エアコンを適切に使用する
・新鮮な水を複数箇所に置く
・ウェットフードも活用する
・留守番中も温度管理を行う
猫は自分から積極的に水を飲まないことも多いため、飲水量の確保が大切です。
冬に意識したいこと
・暖かい寝床を用意する
・冷たい床に直接寝ない工夫をする
・シニア猫の体調変化を観察する
・急激な温度変化を避ける
暖房の効いた場所と少し涼しい場所の両方を用意し、猫自身が快適な場所を選べる環境にしておくのがおすすめです。


-
ゴロー
夏はお水、冬は毛布であります!

-
ムー
ものすごく雑なまとめね。

-
ナナ
お水は冬も大切よ。
まとめ|健康な室内猫なら「暑さ対策」がより重要
猫は暑さにも寒さにも影響を受けますが、健康な室内猫にとってより大きなリスクとなりやすいのは暑さです。汗をかいて体温を下げるのが苦手なため、真夏の高温環境では熱中症や脱水を起こしやすくなります。
一方で寒さも油断は禁物ですが、暖かい寝床や室温管理によって対策しやすい側面があります。
猫は体調不良を隠すのが得意な動物です。だからこそ、「まだ大丈夫だろう」ではなく、季節に合わせた環境づくりを心がけることが大切です。
大切な猫が一年を通して快適に過ごせるよう、特に夏場の温度管理と水分補給にはしっかり気を配ってあげましょう。

