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2015.07.03

猫のおしっこトラブル(泌尿器下部疾患・ストラバイト結石)特集

猫のおしっこトラブル(泌尿器下部疾患・ストラバイト結石)特集

猫がかかりやすい病気をご存知ですか。

「猫はこたつで丸くなる」とうたわれるように、冬の寒さが苦手な猫。気温の変化で体調を崩さないように「部屋を暖かくしてあげる」などの工夫が必要になってきます。
この季節に合わせて気を付けたいのが膀胱炎や結石症などの《おしっこトラブル》
そして、実は冬だけではなく暑さで体内の水分が失われやすい夏場にも《おしっこトラブル》起こすケースが増えています。おしっこトラブルは一度起こしてしまうと、何度も繰り返してしまうケースが多いので、普段からの予防がとても大切です。

猫のおしっこトラブルとは?

暑くなると体内の水分が失われ、寒くなると運動量の減少からのども乾きにくくなる、などの理由から飲む水の量も減ります。
そのため、おしっこが濃くなり、雑菌が繁殖しやすくなることから膀胱炎になったり、老廃物が体の中で固まってしまう結石症などを起こしやすくなるのです。

■膀胱炎・尿道炎

細菌に感染して、膀胱や尿道に炎症が起きます。

■ストラバイト結石

尿中のマグネシウム、アンモニア、リン酸などが結合して結晶から結石になります。
尿中にできた結石は尿道をふさいだり、傷をつけることがあります。

■シュウ酸カルシウム結石

おしっこが酸性に傾くことで、シュウ酸とカルシウムなどのミネラル分が結合して結晶から結石になります。
尿中にできた結石は尿道をふさいだり、傷をつけることがあります。融解できないので、手術が必要となります。

■膀胱炎・尿道炎

細菌に感染して、膀胱や尿道に炎症が起きます。

チェックおしっこトラブルの初期症状

おしっこや、排尿時の様子がいつもと違ったら要注意。放っておくと、腎不全などの重篤な状態に陥ることもあります。

■トイレの失敗が増えた

頻繁に尿意が起こるため、トイレに間に合わず失敗することも

■トイレの回数が増えた

大きな結石やたくさんの結石ができると、膀胱の容積が減り、頻尿気味に

■トイレに行ってもおしっこをしていない

結石の異物感を、尿意として感じトイレに行くが、実際に尿はないため時間がかかる

■赤やピンクのおしっこをする(おしっこに血が混じっている)

膀胱炎・尿道炎を伴うと、血尿が出る

■背中を丸めた姿勢をとったり、触られるのを嫌がる

排尿の際に痛みがある状態

■食欲が落ちる、吐く

結石が詰まってしまって尿が出ない場合、腎臓の働きが低下して食欲不振に

発症率は犬の4倍とも言われる、猫のおしっこトラブル

実に、猫の5頭に1頭が尿石症・膀胱炎を経験し、発症率は犬の4倍と言われています。猫のおしっこトラブルは、食事内容や生活習慣、体質などが大きく関係し、年齢とは関わりなく起こりやすい問題。
おしっこトラブルを起こしている猫の約半数が、1~3歳の若い時期に発症しているというデータもあります。
また、再発率も非常に高く、一度起こしてしまうと慢性化してしまうケースも多くみられます。

おしっこトラブルは、猫にも飼い主さんにも大きな負担に。

おしっこトラブルは一度起こしてしまうと、繰り返すケースが多いので、療法食を与え続けたり、何度も病院に通ったりと、猫にもストレスとなり、飼い主さんにとっても大きな負担となります。
また、ひどくなると腎不全なども引き起こしてしまい、命に関わるケースに陥ることも。
猫が起こしやすいおしっこトラブルは、起こしてしまう前の予防がとても大切です。

どうして猫にはおしっこトラブルが多いの?

どうして猫はおしっこトラブルを起こすことが多いのでしょうか。
それは、猫の祖先に関係があります。
猫の祖先は約13万1000年前(!)に中東の砂漠地帯などで暮らしていた「リビアヤマネコ」であると言われています。

雨の少ない砂漠で生きていく方法として、猫の体は、体内に取り込んだ少ない水分を効率よく利用するよう、腎臓でおしっこを圧縮し、体外に排出する水分を極力少なくする仕組みになりました。
そのため猫の体は、水分量が少なく、濃いおしっこを作るようになりました。

おしっこ=血液中の老廃物。

乾燥した地帯で生きる方法を身に着けた一方、濃縮された濃いおしっこを作るようになった猫は、おしっこトラブルを起こしやすい体になりました。
おしっこ=血液中の老廃物。
おしっこが濃くなると、老廃物がおしっこに溶け出さなくなり、結石の前段階である結晶になりやすくなります。。結晶のうちに、おしっこと一緒に体外へ排出してしまえば問題はありませんが、長時間、体内にたまることで結晶は固まって結石に変化しやすくなるのです。

また、泌尿器に老廃物がたくさん含まれる環境は雑菌が繁殖しやすく、膀胱炎などの感染症にもかかりやすくなります。

おしっこトラブルの原因は

おしっこトラブルの原因は様々ですが、主な要因として以下のようなことが考えられます。

■飲水量の不足により、排尿の回数が減る

おしっこが濃くなり、結晶が結石化しやくすなったり、細菌が繁殖しやすい環境になる

■尿路への細菌感染

尿路へ外部から細菌が入り込み、増殖すると膀胱炎や尿道炎の原因になる

■食事の内容

マグネシウムやリンなどのミネラルバランスがとれていない食事は結石を形成しやすいと言われています。

これらのことがきっかけとなり、いくつも合わさっておしっこトラブルを起こすと考えられています。

おしっこを濃くしないことが予防のポイント

それでは、おしっこトラブルを予防するためには、どんな方法があるのでしょうか。
ポイントはおしっこを濃くしないこと。

■トイレをきれいに

猫はとてもきれい好き。トイレが汚いとおしっこを我慢するため、長時間老廃物が体内に留まることになり、雑菌が繁殖しやすくなります。
いつでも、きれいなトイレを準備しておきましょう。

■水をたくさん飲ませる

普段から飲水量の少ない猫ですが、冬になると寒さから、さらに飲水量が減ります。
人間なら、健康のために、必要量の水分を飲もう、と飲むことができますが、猫の場合はそうはいきませんよね。
そこでおすすめなのが、水分がたっぷり含まれているウェットフード。
普段の食事からしっかりと水分を摂らせることができます。
水分をしっかりとれば、おしっこも薄くなり、老廃物の結晶が結石化する前に排出することができます。

水分補給に役立つウェットフード一覧

ポイントわかれば簡単。知っておこう、おしっこpHのこと

猫のおしっこトラブルを未然に防ぐ上で、知っておきたいのはおしっこのpHのこと。
pH、なんて聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントは2つ。

1.まず、pHとは。
水素イオン濃度指数のことで、酸性・アルカリ性を表す単位。
0~14までの数値で表します。
pH=7が中性。
それより、数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性となります。

2.一日のうちに何度も傾くおしっこのpH値
健康的なおしっこのpH値はpH6.5前後といわれますが、ずっとベストな状態で維持しているわけではありません。
一日のうちでアルカリ性に偏ったり酸性に偏ったりしています。
pH値が酸性の状態であれば、マグネシウムやリンの結晶は溶解し、おしっこともに排出できます。pH値がアルカリ性に傾くと結石化し、長時間続くと、ストラバイト結石になります。
※pH値を低く抑えるために、カルシウム含有量をおさえたフードを続けていると、腸内でシュウ酸がカルシウムと結合して便として排出されやすいですが、尿中でシュウ酸カルシウムとなり結石の原因となります。

うちの猫のpHは?おしっこのpHをチェックしてみよう

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手軽に精密なpHチェックを行うことができるテープ型pHチッカー。自宅でできるおしっこのpHチェックを習慣づけましょう。

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おしっこ予防におすすめのハーブ

■クランベリー

クランベリーに含まれるポリフェノールの主成分≪プロアントシアニジン≫が膀胱炎の原因になる細菌の繁殖や尿路に細菌が付着することを防ぐと言われています。

■エキナセア

いくつかの多糖類、フラボノイド、アルキルアミドを含み、天然の生理活性物質として注目されています。

■オレゴングレープ(根)

老廃物や毒素の排出機能を維持します。尿を促し、デトックスに役立つハーブとして知られています。

■ゴツコーラ葉

利尿、鎮静性の神経調和、冷却、強壮、末梢血管拡張、抗酸化作用、皮膚や関節などの結合組織の治癒促進にも使われる。

■マシュマロウ葉

利尿剤として働き、膀胱炎による粘膜の炎症をおさえ、 尿砂、結石の排出を助けます。

■コーンシルク

炎症を伴う尿道炎や膀胱炎の症状を穏やかにする働きがあると言われています。

■ハイドランジア

膀胱炎に関する尿石、尿砂にも使われ、尿pHを酸性化する働きがあると言われています。

この特集を読んだ人は、以下の商品を見ています。

さいごに

年齢を問わず、気を付けてほしい猫のおしっこトラブルは、発症してしまう前の日々のケアがとても大切。 猫は具合が悪くても隠そうとする習性があるため、普段から猫のおしっこをチェックして、病気のサインに気づいてあげましょう。