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2019.06.13

AAFCO(アフコ)の栄養基準を満たせば安全なキャットフードの証?

AAFCO(アフコ)の栄養基準を満たせば安全なキャットフードの証?

キャットフードやドッグフードのパッケージに「AAFCOの栄養基準をクリア」や「AAFCO基準に適合している」と書かれているものを見たことがある方も多いと思います。AAFCO(アフコ) とは、米国飼料検査官協会のこと。その基準をクリアしているフードであれば、本当に安心・安全ということなのでしょうか?

そこで今回は、AAFCO栄養基準の詳細をはじめ、キャットフードを選ぶ際のポイントについてご紹介します。

AAFCO基準は安全?

前述のとおり、AAFCOとは米国飼料検査官協会のことであり、ペットフードのラベル表示基準や栄養基準などのガイドラインを制定している機関です。現在、AAFCOで定められた基準は、世界的な基準として認められており、日本のペットフード公正取引協議会の規約でも、AAFCOの栄養基準を採用しています。

つまり、AAFCOで定められている栄養基準は、あくまで製造者がペットフードを製造するうえで最低限守らなければならない基準ということです。そのため、たとえ「AAFCO基準をクリア」「AAFCO基準に適合している」などと書かれているフードであっても、原材料によっては「犬や猫の体に良い安心できるフード」ということには直結しません。また、AAFCOは基準値やルールを決めているだけの機関であり、フード自体を実際に検査しているわけではないため、認定や承認、合否判定等は行っていません。

そのため「AAFCO認定」「AAFCO承認」「AAFCO合格」などの表示は、実はルール違反なのです。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ボクちん、ずっとキャットフードを食べてきたでありますが、「AAFCOは基準値やルールを決めているだけの機関であり、フード自体を実際に検査しているわけではない」ことは知らなかったであります!

ランラン先生

ランラン先生

AAFCOはキャットフードの栄養バランスの一つの基準だと覚えておくと良いですね。

AAFCOの添加物の基準について

AAFCO栄養基準は、ペットのライフステージに応じた給与試験も行ったうえで定められます。そのため、基準を満たしているものであれば「栄養基準を満たしている」ということと、安全性についても判断材料にはなります。

しかし、食品添加物の使用方法など関しては、FDA(米国食品医薬品局)の基準に従うよう指示されています。

キャットフードを選ぶ際は、AAFCO栄養基準をクリアしているかどうかだけでなく、添加物の有無をはじめ、使用されている添加物の種類や含有量などについても、しっかりとチェックするようにしましょう。

フードを選ぶ際のポイント

猫のフードは、AAFCOの栄養基準を満たしているということのほか、添加物の有無や、猫の体質や好みに合った原材料かどうかを踏まえて選ぶようにしましょう。ここでは、キャットフードを選ぶ際のおすすめポイントを3つご紹介します。

DOG's TALK

ムー

ムー

そうね、何よりおいしいことが一番よ。私はおいしくないものは食べたくないの。私はグルメな猫なのよ♪

ナナ

ナナ

その割におばちゃん、あたちのカリカリも盗み食いしてるの~。知ってるもんね~。

ムー

ムー

……。(聞こえないフリ)

ゴロー

ゴロー

ナナちゃんのカリカリもおいしいのであります!

ポイント1必要のない添加物を避ける

キャットフードは猫たちのライフステージに合わせて栄養バランスを考慮したレシピに従って作られています。しかしながら、中には「必要以上」の添加物を加えているフードもあるようです。
例えば、猫たちの嗜好性には影響がないにも関わらず、私たち人間の目を引くための着色料を加えたり、香料を加えたりするケースも。

また、フードの酸化を防止するために化学的な酸化防止剤を使用しているフードも見受けられます。(※tamaで取り扱っているフードにはこれらの化学的な酸化防止剤などが使用されていないものを選んでいます。)
酸化の防止に対しては、しっかりとしたパッケージを採用したり、天然由来の酸化防止効果のある成分を配合するなどでさまざまな対策がされているフードが増えてきています。猫たちに与えるのであれば、そういったフードをぜひ選びたいものですね。

ポイント2高タンパク質・脂質・低炭水化物であること

猫は完全肉食動物のため、私たち人間などと比べて、タンパク質や脂質を多く必要とするほか、炭水化物の消化が苦手です。

また、猫の代表的なアレルギーとして「食物アレルギー」が挙げられますが、中でも穀物に対しアレルギー反応を示しやすい傾向があります。

そのため、AAFCOでは、猫には人間と比べると、高タンパク質、高脂肪、低炭水化物が基準に定められています。
しかし、猫たちの体質によってはこれらの配合が合わないこともありますので、それぞれ個性が異なる猫たちに合ったフードを探してみてくださいね。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

キャットフード選びには正解はありません。一般的に猫が好むといわれている高脂肪のフードでは、もちろん太りやすくもなりますし、高タンパクのフードではお腹を壊してしまう猫もいます。

王子

王子

僕も高タンパク過ぎたり、高脂肪過ぎるフードが苦手なのだ。

クリ

クリ

クリはねえ、大好きなフードがあるんだけど、つい食べ過ぎちゃうんだ~。好きなものばっかり食べてると太っちゃうから、たまにオヤツでもらったりするんだ~。

ランラン先生

ランラン先生

猫たちへのフードの与え方や総合的なバランスも考えながら選ぶことで、もっと選択肢は広がりますね。

ポイント3猫のライフステージに合っていること

キャットフード選びにおいて、その猫のライフステージに合ったフード内容かどうかも重要なポイントとなります。猫の年齢に合わせるというより、世代に合わせるということが大切です。例えば、成長期の子猫には高タンパク&高カロリーの栄養価が高いフード、また、内臓機能が弱まっているシニア猫には低カロリーで消化しやすいフードが適しているといえます。

おわりに

今回は、AAFCO栄養基準の詳細をはじめ、キャットフードを選ぶ際のポイントについてご紹介しました。

AAFCOの栄養基準は、あくまで総合栄養食としてのペットフードの基準を明確にしたガイドラインです。その基準を満たしているフードは、安全性が高いということには間違いはありませんが、同時に高品質な原材料や安全な添加物を使用しているかのチェックも重要です。大切な家族である猫の健康のためにも、原材料をしっかりと確認したうえで、ライフステージに合うフードを選ぶようにしましょう。