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2019.07.18

猫が体内で作れない必須アミノ酸などの必須栄養素は、効率よくサプリメントで補おう!

猫が体内で作れない必須アミノ酸などの必須栄養素は、効率よくサプリメントで補おう!

猫も人間と同じように多くの栄養素を必要とします。もともと肉食動物の猫にとって、特に重要なのが、エネルギー源となるタンパク質。そのタンパク質を構成するのが「アミノ酸」です。しかし、体内で作ることができない「必須アミノ酸」は、食事から十分な量を摂取しにくい成分でもあるため、サプリなどで補うなどの工夫が必要です。

そこで今回は、猫の体を構成するうえで重要な必須栄養素について、またそれらが不足した場合に起こる問題と解決方法についてご紹介します。

猫の健康を保つために必要な「必須アミノ酸」とは?

アミノ酸は猫に限らず、生物の体を作るうえでとても重要な役割を持っています。人間の筋肉などのタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、体全体の約20%がタンパク質(アミノ酸)でできているといわれています。

アミノ酸は、体内で作ることのできない「必須アミノ酸」と、体内で作られる「非必須アミノ酸」の2つに分けることができます。体内の非必須アミノ酸が不足すると、他のアミノ酸が合成し補うことができますが、必須アミノ酸を補うには、食事等から摂取するしかありません。

人間に必要な必須アミノ酸は9種ありますが、猫はそれよりも多い11種となります。

■猫に必要な必須アミノ酸10種+必須栄養素1種


1.アルギニン
2.リジン(リシン)
3.メチオニン
4.トレオニン(スレオニン)
5.トリプトファン
6.ヒスチジン
7.バリン
8.フェニルアラニン
9.ロイシン
10.イソロイシン

11.タウリン(必須栄養素)

※タウリンはアミノ酸に分類されていましたが、厳密にはカルボキシル基をもたないため、アミノ酸には分類されていません。

DOG's TALK

ナナ

ナナ

アミノさんってこんなに何人もいるのね~。大家族ぅ。

ゴロー

ゴロー

ナナちゃん!「アミノさん」じゃなくて「アミノ酸」であります!

ランラン先生

ランラン先生

小ボケはさておき、基本的に総合栄養食の基準を満たしたキャットフードであれば、バランスを考えてそれぞれ配合されていますので、これらのアミノ酸を覚える必要はありませんから安心してくださいね。

ゴロー

ゴロー

ほっ。安心したでありますよ~。

猫にとって特に重要な必須アミノ酸

必須アミノ酸は “必須”というだけあって、どれか1つでも不足してしまうと、猫の健康上に影響が出やすくなってしまいます。

中でも、特に猫にとって重要なアミノ酸や栄養素は「タウリン」と「アルギニン」といわれています。

ここでは、それらが不足した場合、どのようなことが引き起こされてしまうかを具体的にみていきましょう。

■アルギニン不足によって引き起こされる問題

成長ホルモンの正常な分泌を促し、筋肉増強や免疫力の向上が期待できるアルギニン。

アルギニンが不足すると、体内の老廃物を尿として出すための回路が正常に働かなくなってしまいます。本来体外へ排出されるべき毒素であるアンモニアが体内にとどまってしまうと、アンモニア中毒(高アンモニア血症)となり、次第に肝性脳症へ移行してしまう危険性があるのです。

■タウリン不足によって引き起こされる問題

タウリンはアミノ酸ではありませんが、猫たちにとって大切な栄養素。タウリンは体の免疫力を一定に保ち、肝臓や心臓など循環器の健康を維持する役割を持っています。タウリンが不足すると、網膜の萎縮による視力の低下や失明が起きやすくなります。

また、心臓の筋肉が弱まることによって、心筋症や、子猫の場合には発達障害を引き起こすこともあります。

DOG's TALK

ムー

ムー

人間用の栄養ドリンクなんかでも、"タウリン○○mg配合!"とか書いてあるわよね。あれはどうして?

ランラン先生

ランラン先生

人間で言うと、タウリンは肝臓の働きを助ける作用があるので、食事から取り込んだ栄養素をエネルギーに変える代謝をサポートする働きを期待されて配合されています。だから、タウリンが配合されているドリンクを飲むだけではなく、しっかりと栄養のある食事を食べることが、体力回復には大切ですよ。

ゴロー

ゴロー

ボクちんたち猫も、栄養はバランスよくとらないといけないであります。人間も猫も同じでありますね~。

不足分を補うにはサプリメントが最適!

前述のとおり、タウリンやアルギニンなど、猫の体内で合成できない必須アミノ酸や栄養素を補うには、食事から摂取するしか方法はありません。

しかし、食が細い猫や高齢猫などは、フードから全ての栄養素をバランスよく摂るのはなかなか難しいといえます。

そこでおすすめなのが、サプリメントの活用です。現在猫用に販売されているサプリメントの多くは、カロリーが低いものが多いため、肥満気味の猫やシニア猫にも安心して与えることができます。

また、猫用サプリはパウダータイプやペレットタイプのものが多いため、フードに混ぜたり振りかけたりして与えやすいという利点もあります。

栄養素が足りてないかも…と感じる場合は、ぜひ普段の食事にプラスしてあげてくださいね。

おわりに

今回は、猫の健康を保つため重要な、必須アミノ酸と栄養素についてご紹介しました。

猫の体内で生成できない成分は食事からしか摂取できないため、私たちがしっかりと栄養バランスを考えてあげることが大切です。

与えやすい猫用のサプリメントを上手に活用して、猫の健康をサポートしてあげましょう。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

色々なアミノ酸や栄養素があるでありますが、どれかが多すぎても少なすぎてもいけないであります。アミノ酸はバランスが大事!ってボクちんのお世話になっているドクターも言っていたであります!

ランラン先生

ランラン先生

その通りです。アミノ酸のバランスについては「桶の理論」といわれる考え方が分かりやすいといわれています。この「桶の理論」についても獣医師が解説しているtamaで以前特集した記事を紹介しておきますから、復習するときに読んでみてくださいね。

Dr.マイの猫学猫たちにとってのアミノ酸についてもっと知りたい方はコチラもどうぞ