• コラム
  • 猫研究所

2019.07.04

知っておきたいペットフードの栄養基準!AAFCOとFEDIAFの違い

知っておきたいペットフードの栄養基準!AAFCOとFEDIAFの違い

現在、さまざまな種類のペットフードが販売されており、毎日の食事となる総合栄養食のほか、ダイエット用の機能性フード、品質にこだわったプレミアムフードなども数多く存在します。毎日のご飯となるキャットフードの栄養基準がどのように管理されているのか、私たちとしては気になるところ。

今回は猫の健康に関わる、キャットフード(総合栄養食)の栄養基準についてご紹介します。

AAFCOとは

AAFCO(全米飼料検査官協会)とは、ペットフードの栄養基準(ライフステージ別の総合栄養食の基準)、ラベル表示のルールなどに関するガイドラインを設定しているアメリカの団体です。1993年にAAFCOの栄養基準が作られました。AAFCOが定めたペットフードの栄養基準は世界的なスタンダードとなっており、日本のペットフード公正取引協議会もAAFCOの栄養基準を採用しています。

AAFCOは、人間も食べるような食肉や乳製品となる家畜類の飼育に使用される"飼料"(牛や豚、にわとりなどの餌)にどのような原材料が使用されているのか、そしてその内容が安全面、法律面で問題ないのかを「分かりやすく表示する」ことを目的としても活動している団体です。家畜の餌はやがて肉や乳となり、最終的には人間の口に入るものですから、人間の食品と同じような安全基準や栄養基準を設けたという経緯があります。そこから派生する形で、私たちの家族である猫たちや犬たちの食事・ペットフードの栄養基準も制定されました。

また、AAFCOの定めた栄養基準を満たすということは、そのキャットフードと水だけで十分な栄養がとれるということも意味しています。ただし、この栄養基準はキャットフードの最低条件であるため、以上・以下という表記になっています。

■AAFCOで行っていること

AAFCOでは、ペットフードの栄養基準を提示しています。総合栄養食と呼ばれるペットの食事に求められる各栄養素(タンパク質、脂肪などの最低値、ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)の最低値や分量を設定しています。

■AAFCOで行っていないこと

AAFCOはペットフードの安全性や表示などに関して、基準やガイドラインを設定する機関です。そのため、AAFCOペットフードの検査を行い、基準や品質に対して「OK」や「NG」を判断する機関ではありません。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

AAFCOの表記はよく見るでありますね~。ボクちんも知ってるであります!

ムー

ムー

ムーが好きなご飯にもついてるわ。総合栄養食って、本当にこれだけ食べておけば大丈夫なのかしら?

ランラン先生

ランラン先生

数値の上では、猫たちの一日当たりに必要とする栄養は補えるということです。ただ、もちろん個体差はありますし、体質や好みもありますから、基準のひとつと考えてくださいね。

ムー

ムー

そうね、ムーはおいし~いオヤツがないと満足できないもの。これも個体差の良い例ね♪

ムー

ムー

ムーちゃんのそれはただの食欲旺盛であります!

FEDIAFとは

FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)とは、ヨーロッパ各地のペットフード機関により構成されたペットフード製造に関するガイドラインを定めている機関です。

2008年9月に、ヨーロッパのペットフード製造において、準拠すべき栄養基準を制定しました。これにより、ヨーロッパで製造されるペットフードは、AAFCO以外にもFEDIAFを基準としているフードもあります。

■FEDIAFで行っていること

FEDIAFは、ペットフード製造に関するガイドラインを定めていることから栄養基準の設定だけでなく、ペットフード製造工場の認定を行っています。

■FEDIAFで行っていないこと

FEDIAFは、ペットフード製造工場に関しては認定や指導を行っていますが、AAFCOと同じくペットフードの栄養基準や品質に対しての「OK」、「NG」を判断は行っていません。

DOG's TALK

王子

王子

僕の食べているフードはヨーロッパで作られているようなのだが、FEDIAFの記載があったのだ。あれはFEDIAFの栄養基準が元になって作られているということなのだな。

クリ

クリ

クリはAAFCO基準のフードを食べてるけど、AAFCOのフードからFEDIAFのフードに切り替えたりしても大丈夫なのかな~?

ランラン先生

ランラン先生

基本的な方針としては同じように、猫たちの一日の要求エネルギーの基準ですから栄養バランスが大きく崩れることはないかと思います。それよりも、フードの切り替えなどによってウンチの状態の変化をしっかり見て欲しいですね。なるべく少しずつ切り替えることが理想です。

「AAFCO」と「FEDIAF」の違い

「AAFCO」と「FEDIAF」は、ペットフードの栄養基準を定める機関であり、栄養基準の認定や承認を行っていないところは共通しています。では一体「AAFCO」と「FEDIAF」の違いはどのようなものでしょうか。

AAFCOとFEDIAFでは、栄養基準や添加物の使用量などの基準、ラベル表示のルールが異なります。

【AAFCO基準のラベル表記】

「鶏肉=チキン」は「チキン」、「チキンミール」は「チキンミール」、など原材料の表記に細かい表記義務が定められている。

【FEDIAF基準のラベル表記】

AAFCOの表記基準とは違い、原材料に「チキンミール」を「乾燥チキン」と表記しても違反ではないが、「チキンミール」を「チキン」と表記することは認められていません。

ペットフードの判断基準について

AAFCOやFEDIAFの表記があったとしても、機関に認定されているというわけでなく、機関が定める基準を満たしているということです。

基本的には市販されているフードは、AAFCOやFEDIAFなどの基準を満たしているものを選ぶと良いでしょう。

おわりに

今回は猫の健康のために知っておきたい栄養基準について、「AAFCO(全米飼料検査官協会)」と「FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)」をご紹介しました。

猫と暮らす方であれば、一度は目にしたことがあるAAFCOやFEDIAFですが、どちらもペットフードの栄養基準のガイドラインを定めています。

この栄養基準に満たされているから、安全で品質が良いものと考えるのではなく、あくまでもキャットフード選びの1つの目安として、猫の健康を考えたフード選びをしましょう。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

猫は成長や年齢によって要求するエネルギー量や栄養バランスも変化します。また、同様に運動量や一度に食べられる量、好きなものや嫌いなものなどの個体差も大きいので、栄養基準も指標のひとつとして考え、フード選びをしてみてくださいね。

ナナ

ナナ

あたちみたいにサプリメントを使っている猫もいるしね~。

ムー

ムー

私みたいにオヤツが好きな猫の場合は、オヤツを含めて一日の栄養バランスやカロリーを考えて食べさせたりすると良いと思うわ。

ゴロー

ゴロー

猫の栄養バランスの考え方にも色々あるでありますね!