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2019.08.29

食事で病気の進行や症状を抑える?猫の「療法食」について

食事で病気の進行や症状を抑える?猫の「療法食」について

猫が病気のとき、投薬のほか治療の一貫として、各症状に合わせた栄養管理を行うことがあります。その際、食事療法用として動物病院で処方されるのが「療法食」です。

最近では市販でも購入できる療法食が増えていますが、どのように与えるのが効果的なのでしょうか?今回は、猫の療法食の概要と、切り替え方のポイントや注意点などについてご紹介します。

療法食とは?

「療法食」とは、栄養バランスが調整された特別なフードのことです。

栄養成分や含有量などを調整し、特定の病気や症状の進行を抑えたり、症状を軽減・改善させたり、再発予防することを目的としています。

人間の場合、糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善には、病院での治療のほか食事のコントロールがとても重要です。

それと同じく犬や猫の場合も、健康管理をしっかりと行うためには食事療法が不可欠なのです。

例えば、ダイエットの必要がある猫には低カロリーのもの、ストルバイト結石を持つ猫にはマグネシウムなどの含有量を調整したもの、腎疾患を患う猫にはリンやタンパク質などの含有量を調整したものなど、それぞれの症状に合わせたフードを与えることが、症状改善・緩和への近道となります。

しかし、いくら猫のためとはいえ、毎日栄養素を考えながらフードを手作りするのはとても難しいこと。

そこで、病気や各症状に合わせて栄養素をバランスよく配合した療法食が作られたのです。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

食事の成分をコントロールすることで病気の改善や症状の軽減が見込めるときには、療法食が採用されることが多いようです。

ムー

ムー

それってつまり、普段の食事に気をつけていれば再発や発症を防ぐことができる病気も多いってことよね?

ランラン先生

ランラン先生

もちろん、例外もありますが、そういった病気も多いです。だからこそ、猫にとっても、人間にとっても食事は大切なんです。

ゴロー

ゴロー

さっすがムーちゃん!賢いであります!

療法食への切り替え方

療法食に切り替えが必要になった際、一体どんなことに気を付けたら良いのでしょうか?

ここでは、一般食から療法食へ切り替えるポイントを3つご紹介します。

■【ポイント1】必ず獣医師の指示に従う

最近は市販でも多くの種類の療法食が手に入りますが、そのほとんどはそれぞれの病気や症状をコントロールするための「特殊な組成を持つフード」です。健康改善のためならどんなものでも与えて良いということではありません。

猫の体調や症状にマッチしていない療法食を与えてしまうと、逆にコンディションを悪くしてしまうことも。

そのため、療法食を与える前にはかかりつけの獣医師に相談し、専門的なアドバイスや指示をもらうようにしましょう。

DOG's TALK

王子

王子

手軽に買えるようになったからこそ、気をつける必要があるのだな。でも、病院で指定された療法食が好きじゃなくて全く食べられなかったり、アレルギーがある項目が含まれていたりする時にはどうすればいいのだ?

ランラン先生

ランラン先生

そういった場合は信頼できる獣医師さんに相談してみてください。代替となる療法食を紹介してくれるかもしれません。また、どうしてもという場合には商品の原材料や成分分析値などの詳しいデータが見られるページを獣医師さんに確認してもらい、食事の計画を一緒に立てるようお願いしてみても良いかもしれません。
何はともあれ、おいしく食べることが一番ですからね。

■【ポイント2】療法食への切り替えはゆっくりと行う

獣医師から療法食への切り替えの指示があった場合でも、即日フードを切り替えてしまうのはおすすめできません。

一般的に猫は、食べるものが突然変わると警戒心を強めてしまいます。一度警戒しはじめると、なかなか口にしないケースが多いため、一般フードの切り替え時同様に、まずは普段のフードに療法食を少量混ぜ込み、味や香りに慣れさせましょう。

1週間~10日ほどをかけて徐々に療法食の比率を増やしていき、ゆっくりと切り替えることが大切です。

 

■【ポイント3】切り替え直後はまめに体調をチェックする

療法食に限らず、猫のフードの切り替えは慎重に行うことが大切です。猫たちは新しいフードに抵抗を示したりすることも多く、急にフードを切り替えたことによってお腹を壊してしまうことも少なくはないからです。
早くても1週間~2週間ほどかけて、少しずつフードに混ぜ込む割合を増やしていきながら猫たちに新しいフードになれていってもらいましょう。

病気の治療のためだから、とついつい焦ってしまいがちですが、療法食に切り替えたことで別の体調不良を引き起こしてしまっては元も子もありませんよね。
しかし、療法食に切り替えた後に起きた下痢の症状が重かったり、フードを全く食べなくなったり、療法食を食べる前と比べて明らかに体調が悪化している場合はすぐに動物病院を受診することをおすすめします。

療法食を与える際の注意点

■健康な猫に予防として与えるのはNG

前述のとおり療法食は、特定の病気に対して必要な栄養素を補うためのものであり、あくまで病気の改善や緩和などのサポート的な役割のフードです。だから、総合栄養食の基準に沿っていないレシピもあります。

一度かかった病気を再発させないように再発予防として与えるケースもありますが、療法食は治療の一環として与えるものであり、健康体の猫に対して「病気予防」として与えるものではありません。そのため「健康に良さそう」ということだけで与えるのはNGです。

もし特定の機能の強化や体質改善を目的とする場合は、療法食ではなくサプリメントを活用したり「○○ケア」や「○○配慮」「○○維持」などと記載されているものを選びましょう。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

これは注意が必要です。先ほども紹介したとおり、療法食は症状が出ている状態を改善するために、理想的な栄養バランスとは異なる栄養の調整がされているものがほとんどです。まだ病気になっていないのにもかかわらず、療法食を与えたことが別の病気の原因になることがありますので、やめてくださいね。

■獣医師の許可なく長期間与え続けるのもNG

猫の年齢や病気の種類によっては療法食を長期間与えるケースもありますが、一部の病気ではその症状が改善・緩和されたら一般食に再び切り替えることもあります。
病気が改善したのに療法食を食べ続けてしまうと、栄養が偏ってしまい、他の器官に悪影響を及ぼしてしまうこともあるため、療法食の使用期間は必ず獣医師の指示に従いましょう。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ほほ~。そんなこともあるんでありますね!ボクちん、療法食は一生続けなくちゃいけないんだと思っていたであります。

王子

王子

僕は初期のストルバイト結晶が落ち着いたら一般食に戻してもいいって言われて、今は一般食を食べているのだ。

ランラン先生

ランラン先生

それは本当に、本猫や担当の獣医師の方針による部分でもあります。中にはずっと療法食を続ける必要がある病気もありますし、体質的にそうする必要がある猫もいます。まずは信頼できる獣医師としっかり話し合って、それぞれの猫に適した食事の方針を一緒に考えていくことが大事ですね。

おわりに

今回は、猫の療法食の概要や与え方のポイント、注意点などについてご紹介しました。

療法食とは猫の体調や病気の治療・改善のサポートをするための、特別な栄養バランスに調整された、猫の健康維持のために必要なフードです。

しかし、療法食は病気を食事療法によって病気改善を助けることを目的とし、薬でも、サプリメントのような補助食でもありません。そのため、病気の予防対策として健康な猫に与えることは避けるようにしましょう。