• コラム
  • 猫研究所

2019.09.05

チョコレートやネギ類はNG!知っておきたい猫に与えてはいけない食材や添加物

チョコレートやネギ類はNG!知っておきたい猫に与えてはいけない食材や添加物

食事中に猫が寄ってきてかわいくおねだりしてきたら、自分が食べているものをついあげてしまいそうになりますよね。
しかし、人間の食べ物の中には猫にとって有害なものも。猫の健康を守るため、猫に与えてはいけない食材をしっかりと把握しておくようにしましょう。
今回は、すでにご存じの方も多いかと思いますが、改めて、猫に与えてはいけない食材や添加物、猫の誤食を防止についてご紹介します。

猫に与えてはいけない食材

■ネギ類

玉ねぎや長ネギ、ニラなどのネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分には、赤血球を破壊する性質があります。それにより、血尿や貧血のほか、下痢、嘔吐、発熱、黄疸などを引き起こす可能性があります。
たとえ煮込んで具を取り除いたスープでも、有害成分が溶け出しているため、与えてはいけません。

■カカオ類

チョコレートやココアなどのカカオ類に含まれる「テオブロミン」という成分は、カカオの香り成分の1つで、興奮剤のような働きをする性質があり、猫の心臓や中枢神経に作用してしまいます。猫に与えてしまうと、下痢や嘔吐、血圧上昇、痙攣などが起こり、不整脈による心不全を引き起こすケースもあります。

猫が食べたがることはほとんどないと思いますが、カカオ含有量の高いビターチョコほど危険ですが、たとえホワイトチョコレートでもカカオが含まれていることがあるため注意が必要です。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

猫の場合、甘いチョコレートを食べたがることはまずないと思います。ただ、中には糖尿病の猫が甘いレーズンを食べてしまったケースもあるようですので、体調によっては注意が必要かもしれませんね。基本的には猫は食べたことがない食品に興味を示すことはほとんどありませんので、普段とは違うものを食べたがるときは獣医師に相談してみるのもひとつの手です。

■生のイカやタコ、貝類、甲殻類など

生のイカやタコ、貝類、カニやエビなどの甲殻類に含まれる「チアミナーゼ」という酵素は、ビタミンB1を分解することがあります。そのため、これらを生で大量に食べることで、ビタミンB1欠乏症が発症しやすくなり、運動障害や神経障害などを引き起こしてしまうことがあります。
なお、生の魚肉にもチアミナーゼ酵素が含まれているものがあるため、長期にわたって大量の生魚だけを与える食事は避けましょう。
生魚が好きだという猫はとても多く、私たちが食べるお刺身は猫にとっても最高の栄養食となるので、積極的に与えたい食品ですが、お刺身だけを与える食事を長期間続けたりすると、栄養バランスも崩れるので、食事のバランスを考えながらおすそわけをしてくださいね。

ちなみに、チアミナーゼは加熱すると破壊されます。

DOG's TALK

王子

王子

僕が大好きなマグロやかつおのお刺身の周りに、イカやタコが置かれていることも多いから、ついつい食べたくなってしまうのだ…。

ランラン先生

ランラン先生

個人的には、チアミナーゼだけではなく、生のタコやイカは猫がなかなか噛み切れずに飲み込んでしまい、消化不良を起こしたりするリスクも高いことを知っておいてほしいです。

猫に与えてはいけない添加物

かつて、酸化を防ぐ技術が発達していなかった頃に作られた猫のフードやおやつなどに使用された化学的な添加物の中には、発がん性リスクを高めたり、免疫力を低下させたりなど、猫の健康に悪影響をもたらすものもあったようです。

今ではそれらの添加物を使用することは減ってきていると思いますが、猫のためにもどのような添加物が使用されているのかを吟味し、納得できるフードを与えることが大切です。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ふむふむ。最近では、キャットフードの安全性への意識も高くなってきているでありますから、危険なものは減ってきているらしいであります。

ムー

ムー

そうはいっても、私たちは自分のごはんを選べないんだし、やっぱり注意して選んでほしいのには変わりないわ。あ、ムーのごはんは美味しさも重要よ。

ナナ

ナナ

あたちたちの健康を管理してるって意識すれば、信用できないものは選ばないよね~。あたち信じてるの~。

■キシリトール

歯磨きやガムなどに含まれることの多いキシリトール。人間にとっては虫歯予防にもなる甘味料の1つですが、猫が大量に摂取してしまうとインスリンホルモンが分泌されてしまい、低血糖を引き起こしてしまう可能性があります。

血糖値は急激に下がると、嘔吐やふらつき、痙攣などの症状を発症し、重症の場合には肝機能不全を起こしてしまうケースもあります。

■防腐剤、酸化防止剤、合成着色料など

多くのキャットフードの中には、腐敗や酸化、有害物質の発生を防いだり、猫の好む香りやうま味などを人工的に加えたりするために、添加物が使用されているものも残念ながらあるようです。

代表的なものとしては「BHA」「BHT」、「エトキシキン」などの酸化防止剤、「赤色○号」などの合成着色料などが挙げられます。
また、人間の食品やドッグフードには使用が認められている保湿剤プロピレングリコールは猫に対して毒性があるため使用が禁止されています。

これらの添加物を継続的に猫に与えてしまうと、アレルギー症状が悪化したり、違う病気が発症したりする可能性が高まってしまうほか、健康上のリスクを高めてしまうなどの可能性がでることがあるようです。

猫が誤飲しないための対策

猫の誤食を防ぐには「猫にとって危険なものを部屋に置かない」ということが最も重要です。

テーブルやデスク上に置いてしまいがちな人間用の菓子類などは必ず冷蔵庫や引き出しの中に入れる、ネギ類を調理する際は、なるべく猫をキッチンに入れず、調理後にはちゃんとお掃除をするなど、習慣的に危険な食材を猫から遠ざけることが大切です。

さらに「人間が食べているものは必要以上には与えない」ということも意識するようにしましょう。
また、人間の食べるものは猫にとってはとても味付けが濃いものが多いため、糖分、脂質、塩分量を踏まえると、いくら調理したものであっても与えることはおすすめできません。

おわりに

今回は、改めて、猫に与えてはいけない食材や添加物についてご紹介しました。
チョコレートやネギ類などの、与えてはいけない食材はしっかり管理して、猫がむやみに口にしない様に気を付けてくださいね。
与えてはいけないもの、与えすぎなければ大丈夫なもの、加熱すれば問題ないもの、など、猫に与える食材には注意が必要なので、私たち人間用の食事をむやみに与えることはおすすめできません。
とはいえ、人間用の食品は新鮮で安全性も高いので、猫の食事に上手に利用していきたいものです。
たまには、一緒に食事の時間を楽しむのもおすすめですよ。