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2019.09.19

猫が薬を飲んでくれない!錠剤や粉薬...猫の薬の飲ませ方とは

猫が薬を飲んでくれない!錠剤や粉薬...猫の薬の飲ませ方とは

猫が薬を飲んでくれず、困った経験はありませんか?
猫は知能が高く、とてもセンシティブな性質のため、薬をご飯やおやつに混ぜてもなかなか食べてくれないケースが多いです。
しかし、猫も人間と同じく体調を崩しているときは、動物病院で処方された薬をしっかりと飲む必要があります。1日も早く猫の元気を取り戻してあげるために、薬の飲ませ方のポイントを押さえておきましょう。
今回は、猫への基本的な薬の飲ませ方とそのコツをご紹介します。

猫が薬を嫌がる理由

猫が薬を嫌がる最大の理由は「薬の味」によるものといわれています。
猫の味覚はとても敏感で、特に「苦み」や「酸味」などの味は、猫にとって危険を知らせるサイン、すなわち「毒物」や「腐敗した物」といった不審な食べ物として本能的に認識してしまいます。
そのため、苦みや酸味が強い薬に対し、強い拒否反応を示してしまうのです。

また、猫は警戒心がとても強い動物のため、薬のように普段見慣れていないもの、嗅ぎ慣れていないものを避ける傾向もあり、それも薬を嫌う理由の1つと考えられています。

このような性質を踏まえ、最近では苦みや酸味が抑えられた薬も開発されているようですが、それでも薬は猫にとって「不審な物」には変わりありません。
しっかりと服用させるためには、できるだけ嫌な思いをさせないよう工夫して与えることが大切です。

DOG's TALK

ムー

ムー

なんで薬がイヤかって?そんなの決まってるじゃない!"おいしいの"だと思ったら薬だったのよ。裏切り行為だわ、酷いと思わない!?

ゴロー

ゴロー

たは~。ムーちゃんご立腹でありますねー。こんな風に拗ねられて困った、という人も多そうであります。

ランラン先生

ランラン先生

そうですね、そもそも薬を飲んでくれないというケースも多いです。やっぱり良く分からないもの、というのは食べたくないですよね。

猫への薬の飲ませ方のコツ&ポイント

猫に処方される薬には人間と同様に、錠剤やカプセル、粉薬、シロップなどさまざまな種類があります。

ここでは、それぞれの薬の種類別に飲ませ方のコツやポイントなどを見ていきましょう。

■錠剤・カプセルの場合

まずは、基本的な薬の飲ませ方「薬をそのまま口に入れる」方法をご紹介します。

1.警戒心を少しでも無くすため、まずは普段通り抱きかかえます。

2.猫を抱いたまま座り、猫を膝の上に置いて背後から包み込むように優しく抑えます。

3.利き手とは逆の手で、上あごの両犬歯付近に親指と人さし指をかけ、頭を優しく上に向かせます。

4. 利き手の親指と人さし指で錠剤やカプセルを持ち、中指で猫の前歯に指をかけてそっと口を開きます。

5.薬を舌の付け根の方に置きすばやく口を閉じ、顔を上向きに保ちながらのど部分を優しく擦ります。

6.ペロペロと舌を出したら薬を飲み込んだ合図ですが、錠剤がのどや食道に貼りついていることもあるため、スポイトやシリンジ(針のない注射器)などを使用して念のため少量の水をゆっくり飲ませてあげましょう。

また、錠剤やカプセルを「細かく分解してフードや水分に混ぜる」という方法もあります。
しかし、薬の中には形状を崩すと効果が薄くなってしまうものもあるため、錠剤を砕いたり、カプセルから出したりして食べ物に混ぜる場合は、必ず事前に獣医師に許可を取るようにしましょう。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

錠剤やカプセルを普段から飲んでいるナナさん、なにかコメントは?

ナナ

ナナ

あたちから警告~。お薬を飲みこんだ、と思って安心しないでね~。こっそり、見えないように「ペッ」てしてることもあるんだから~。

ランラン先生

ランラン先生

……まさか今も?

ナナ

ナナ

……ニヤリ。

■粉薬・シロップの場合

薬をそのまま与えるのが難しい場合は、少量のお水かぬるま湯に溶いて液体にして与えます。
猫は1回に多くの水分が摂れないため、薬を溶かす水分量は極力少なくするのがポイントです。

手順は以下の通りです。

1.水に薬をしっかりと溶かし、スポイトやシリンジの中に吸い上げます。

2.錠剤のときと同じように、猫を背後から包み込むように優しく抑えます。

3.スポイトやシリンジの先端を犬歯の後ろにある隙間に差し込み、液体を少量ずつゆっくりと口の中に流し込みます。

4.液体をしっかりと飲み込むまで、顔を上向きに保ちます。

なお、シロップの場合も、粉薬投与と同じ手順(上記2~4)で与えることをおすすめします。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

最近では流行のピューレタイプのオヤツに粉末の薬などを溶かしてしまうと飲ませやすい、ということもあります。ただ、……

王子

王子

な、なんか味が違うような気がするのだ…?

ランラン先生

ランラン先生

このように、気付かれてしまうこともありますのでご注意を…。

王子

王子

????

猫に薬を飲ませるときの注意点

猫に薬を飲ませるときに、もっとも注意しなければならないのは「誤嚥(ごえん)」です。

誤嚥とは、本来食道から胃へ入るはずのものが間違って気管や肺へ入ってしまうこと。誤嚥を起こしてしまうと誤嚥性肺炎になる可能性もあるため注意が必要です。

特に水に溶かした薬やシロップなどの液状の薬を与える際は、一度に与える量を少なくし、焦らずゆっくりと投与するようにしましょう。

また、ほとんどの猫は投薬に慣れていないため、警戒するあまり暴れてしまうことがあります。その際にかまれたり引っかかれたりすることもあります。あまりにも落ち着かない、かつ、今飲ませないといけないなど、時間に余裕がない場合は、猫をバスタオルなどでくるみ、手足が動かないよう体を固定してから投薬を行うようという方法もあります。

おわりに

今回は、猫への基本的な薬の飲ませ方とそのコツについてご紹介しました。
動物病院で処方される薬にはさまざまなタイプがありますが、たとえどのタイプであっても、猫にとっては「不審な物」であるため、自宅で服用させるのは簡単なことではありません。
しかし、猫の健康を回復させるには、投薬をしっかりと行うことが重要です。
もしもの時は、今回ご紹介した「猫への基本的な薬の飲ませ方」を思い出していただければうれしいです。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ほー。色々なお薬があるでありますね。みんな大変そうであります。

マエダ

マエダ

あ、いたいた。次はゴローの番だよ。

ゴロー

ゴロー

え…?

マエダ

マエダ

はい、お薬だよ~。

ゴロー

ゴロー

逃げるであります!駆け抜けるであります!イヤでありま~~~す!!

ランラン先生

ランラン先生

……とまあ、このように薬やサプリメントを与えようとすると、猫は嫌がることが多いと思います。それぞれの猫にあった方法で与えてあげてくださいね。