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2020.06.25

関節の炎症や皮膚トラブルにも。猫に嬉しい「オメガ3脂肪酸」について

関節の炎症や皮膚トラブルにも。猫に嬉しい「オメガ3脂肪酸」について

近年、健康や美容に良い成分として注目されている「オメガ3脂肪酸」は、人だけでなく猫の体にもとても有効な成分の1つです。しかし、オメガ3脂肪酸とは一体どのような成分で猫にどのような効果をもたらすのか、ざっくりと把握したい方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、オメガ3脂肪酸の概要や主な働き・作用について簡単にご紹介します。


猫に必要な「オメガ3脂肪酸」とは?


オメガ3脂肪酸とは、体内で固まりにくい「不飽和脂肪酸」と呼ばれる必須脂肪酸の1つです。オメガ3脂肪酸はさまざまな器官に働きかけると考えられており、特に心臓や皮膚、脳の健康維持に効果があるといわれています。

しかし、オメガ3脂肪酸は人間をはじめ、猫の体内でも生成することができない成分です。そのため、食事から摂取するしかありません。
オメガ3脂肪酸を猫に摂取させることによって、脳の健康や美しい毛艶、関節などの健康維持が期待できるため、特にシニア猫には積極的に補ってあげるようにしましょう。

オメガ3脂肪酸に分類される代表的な脂肪酸は、「DHA」「EPA」「α-リノレン酸)です。
それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

私たち猫にとっても嬉しい成分として注目されてきた不飽和脂肪酸。その中でもオメガ3に分類される脂肪酸は、必須栄養素のひとつでもあります。健康維持のためには必ず摂取する必要がある栄養という訳ですね。

ゴロー

ゴロー

いろいろなところに働きかけてくれるでありますね~。なんだかスゴイ成分なことはわかるであります!サプリメントなどでも摂取できる嬉しい成分がどんな食べ物に含まれているのか知るしかないでありますね!

■EPA(エイコサペンタエン酸)

EPAは脂身の多い青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸の1つで、血液をサラサラにしたり、皮膚・関節、血管・血液の健康維持に重要な栄養素です。サバ、イワシ、アジなどのほか、サケなどにも豊富に含まれています。関節の悩みや皮膚のかゆみなどに悩んでいる猫向けのサプリメントなどで注目されている、緑イ貝もEPAを豊富に含む食材です。

また、心臓病の予防効果もあるとされているため、成猫期後半~シニア期の猫のほか、肥大型心筋症に悩むことが多い傾向にある一部の猫種の健康維持にも役立ちます。

■DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHAはEPA同様に青魚に多く含まれている成分で、脳神経や視神経の発達や健康維持に関わる大切な栄養素です。マグロやカツオ、サバ、サンマなどに多く含まれています。
出産後の母猫の母乳にはDHAが豊富に含まれていることから、幼猫期~成長期の猫にとって欠かせない栄養素の1つといわれています。
脳や神経系の健康的な発育に必須の栄養素といわれていて、十分に成長期にDHAを摂取すると落ち着いた性格に育ちやすくなるという説もあります。また、認知機能が低下するシニア期にもオススメです。

DOG's TALK

王子

王子

僕が大好きなお魚にはスゴイ脂肪酸が含まれていたのだな。やっぱりお魚ってすごいしなにより美味しいのだ。

ランラン先生

ランラン先生

EPA・DHAを一番効率的に摂取できるのはやはり魚の脂、いわゆる魚油ですね。特に脂がのった魚には豊富に含まれています。ただ、体にいいからと言って食べ過ぎるとお腹を壊したり、肥満の原因になりますからほどほどに…。

■α-リノレン酸

α-リノレン酸は植物由来の脂肪酸で、脳や循環器系、神経組織に関わる栄養素です。エゴマ油やアマニ油、魚油などのオイルのほか、クルミやアーモンドなどのナッツ類にも多く含まれています。

α-リノレン酸を摂取するとその10~15%程度が体内でEPAやDHAに変換されるという特徴があり、血流改善や動脈硬化の予防、アレルギー抑制などに効果的といわれています。

オメガ3脂肪酸の働きとは?

人や猫の体内で作り出すことのできない栄養素であるオメガ3脂肪酸。それが不足すると脳や神経、皮膚などの健康に影響が出てしまう可能性があります。
ここからは、そんな健康維持に欠かせないオメガ3脂肪酸の主な働きについて、具体的に見ていきましょう。

【1】血流改善作用
オメガ3脂肪酸の代表的な作用・効果といえば、血液をサラサラにして血の巡りを良くすること。血管が柔軟に拡張されることで、血液が滞りなく流れ、心臓病や血栓を防ぐだけでなく、栄養が体の隅々まで行きわたりやすくなります。それにより、猫の毛並み・毛艶が良くなるともいわれているのです。

【2】中性脂肪抑制作用
オメガ3脂肪酸によって血流が改善されることで、血液中の中性脂肪値が低下しやすくなるともいわれています。肥満をはじめ、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの予防につながります。

【3】抗炎症作用
オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があることも認められており、アレルギー症状や関節炎、リウマチなどを和らげる効果もあるといわれています。
また、アンチエイジング効果も期待されており、シニア期の猫の健康維持にも効果的な栄養素です。

DOG's TALK

ムー

ムー

エイジングケア、ということは…ムーのこの美貌をより美しく、そして長-----く維持するためにも役立つということなの?

ランラン先生

ランラン先生

…まあ、考えようによってはそうですね。皮膚や被毛のツヤや美しさにもオメガ3脂肪酸は役立ちますし、そして細胞の老化を進めるといわれている活性酸素を減らすことにも関係しています。若々しく、アクティブに過ごすために嬉しい成分と言えますね。

ムー

ムー

分かったわ!……ね~え、末永くムーの美しさを維持するためにお魚のオヤツちょうだーい♪

ランラン先生

ランラン先生

……。

おわりに

今回は、猫の体にも有効といわれている「オメガ3脂肪酸」について、その概要や作用についてご紹介しました。

オメガ3脂肪酸は、猫の健康維持のためにとても大切な栄養素といえます。日々の食事に意識的にオメガ3脂肪酸をプラスして、大切な家族の健康を支えてあげてくださいね。