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2020.08.28

キャットフードと繊維質について調べてみました[#調査隊レポート]

キャットフードと繊維質について調べてみました[#調査隊レポート]

皆さま、猫たちの毎日の食事であるキャットフードを選ぶときにはどんな基準で選んでいますか?猫の好み、原材料の種類、製造国や栄養バランスなど、色々な基準があると思います。

でも、無視できないのは「安全性」という観点ですよね。tamaでお取り扱いしている商品たちは、いずれも厳しい目で安全性についてもチェックをした上で、信頼できるものだけを選んでいます。しかし、インターネットが発達している今、「○○ってあまり良くないらしい」とか「あれはやめたほうがいいよ」など、心配になってしまうような情報が飛び交っていて混乱してしまうことも少なくないと思います。

そこでスタッフが皆さまに代わって、さまざまなキャットフードの原材料や製造方法について調べてみるシリーズ。
今回扱うのは「猫の健康と繊維質」についてです。それでは、調査隊のレポートを猫と一緒にどうぞご覧ください。

キャットフードに繊維質はどれくらい含まれているの?

猫は小さな肉食獣と呼ばれます。繊維質の多くは野菜などの植物由来のものが多いため、肉食動物である猫は、本来繊維質をそれほど多く必要としないのでは?と思う方もいるかもしれません。

食物繊維がキャットフードに使用される背景としては、食物繊維には腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えたり、うんちを固める働きがあるので、体を作るタンパク質などと同様に猫の健康維持に必要な栄養素とされています。しかしAAFCOなどの栄養基準では繊維質の量に関する規定はなく、どれだけの量を与えなければならないという明確な基準もありません。

tamaでお取り扱いしているキャットフードに含まれる粗繊維の量は、大体3~5%のものから、10%前後ほどのものが多いようです。

繊維質の働きと種類について

一般的に、食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。

水溶性食物繊維はその名の通り、水に溶けてとろみを出したり、ゲル状に固まる性質があります。
フルーツなどに含まれるペクチンやこんにゃくなどに含まれるグルコマンナン、ゴボウなどに含まれるイヌリンなどが水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維は主に腸内の有用菌のエサになり、腸内環境を健康的に維持するためにとても重要になります。水溶性食物繊維が十分でないと腸内細菌のバランスが崩れてしまい、悪さをする菌が増えてウンチの形が崩れたりします。


不溶性食物繊維は野菜などに含まれるものが多く、繊維状のものなどがあります。
いわゆるセルロースと呼ばれる穀類、豆類、野菜などに含まれる繊維質が良く知られています。
水分を保持して膨らみ、腸を刺激するほか、ウンチを固める働きもあり、スムーズな排便に役立ちます。

DOG's TALK

腸内環境を健康的に維持することで、様々な嬉しい効果があることが分かっています。たとえば、健康的な腸内環境で増える有用菌は肝臓や腎臓の健康維持に役立つ成分を作ることが分かっているほか、免疫系にも嬉しい働きをしてくれることが分かっています。健康のためにはまず、腸内から。という考えがかなりメジャーになってきています。

キャットフードの保証分析値の注意点:粗繊維は繊維質の総量ではない!?

キャットフードにどんな栄養がどれくらい含まれているのかを知る重要な手掛かりとなる保証分析値ですが、繊維質に関してはちょっとした注意点があります。それはキャットフードの保証分析値には「粗繊維」という項目がありますが、この粗繊維は不溶性食物繊維の量を示す項目ということ。水溶性食物繊維はこの「粗繊維」の項目には含まれていません。

2020年現在、日本で定められている測定法では水溶性食物繊維を正確に計測することができないため、なのだそうです。どうやら、炭水化物にあたる部分に一緒に含まれているようです。
しかし、水溶性食物繊維の働きが注目され、健康維持のために取り入れる人が増えてきたことから水溶性食物繊維も測ることができる新しい測定方法を取り入れるべき、という意見も研究者から出ているそうで、キャットフードにおいても、いずれはこの表示法に変化が見られることになるかもしれません。

現在のキャットフードでは、不溶性食物繊維ばかりで水溶性食物繊維が含まれていない…というものはほとんどないといわれていますが、水溶性食物繊維をしっかり与えたいと考えた時には、キャットフードに使用されている原材料をチェックしてみると良いかもしれません。

DOG's TALK

猫の腸内環境を健康的に維持するためには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が必要です。バランスよく両方を含んでいる原材料には、ビートパルプ、トマトの皮などを使ったトマトポマス、ゴボウやチコリ、菊芋などがあります。

おわりに

本日は猫の腸内環境維持のために大切な繊維質についてご紹介しました。保証分析値に表示されている粗繊維の数値だけではなく、どんな原材料が使用されているのかもチェックして猫の体に合ったフード選びをしていきたいですね。
また、お気に入りのフードだけれどお腹の調子が安定しない、という場合には不溶性、水溶性食物繊維を含むサプリメントなどで補ってみるのもいいかもしれませんね。