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2021.10.07

猫の健康と歯周病の関係とは?健康維持のためにデンタルケアを始めよう

猫の健康と歯周病の関係とは?健康維持のためにデンタルケアを始めよう

猫の健康と歯周病が深く関係している、ということを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
でも、「歯周病」というと人間でもよく起こるものですから、身近すぎて具体的に猫の歯周病が猫の健康にどのように影響するのか、イメージができないという方もいるかもしれません。

猫にとって、歯周病は腎臓、心臓などの臓器にも影響を与える可能性がある病気なのです。今回は、猫の歯周病と健康の深い関係についてスタッフ猫たちが調査した結果をご覧ください。

猫の歯周病とは?どんな病気?

猫の歯周病では、歯の根元を覆う歯肉(歯ぐき)や周辺の組織の炎症がみられます。症状が進行すると、歯の周辺だけではなく体中に影響がみられるようになっていきます。

歯周病はその名の通り、歯周病を引き起こす原因菌が歯に付着した食べかすなどを栄養源として繁殖し、有害な物質や組織を溶かしてしまう酸を作ることで進行していきます。

最初は歯についた歯石、そして周辺の歯茎の炎症から始まり、初期の症状には気が付きにくいことも特徴で、実際に猫の様子がおかしいと感じた時にはある程度進んでしまっていることも多いです。


【猫の歯周病の症状】
・歯に歯垢が付き、やがて歯石になる
・歯の根本が炎症を起こし赤っぽくなる(歯肉炎)

・歯ぐきから出血が見られる
・歯がグラグラする
・痛みから固いものを食べることを避けるようになる
・口臭がきつくなる
・よだれの量が増える

・歯が抜けてしまう
・鼻水やくしゃみが見られるようになる
・顔が腫れ、触れられるのを嫌がるようになる
・食欲が大幅に落ちてしまう

猫の食欲が低下してしまったり、よだれの量が多くなることなどをきっかけに、動物病院を受診して初めて歯周病が分かるケースも多いのですが、高齢の猫では発症する確率が若い猫と比べて最大約4倍にもなる病気です。
高齢になった猫はとくに起こしやすい病気のひとつですので、シニア期の猫はこまめに口内のチェックを行うことが推奨されています。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

ボクちんたちもお口の中をたまにチェックされるでありますよ。これは歯周病チェックだったでありますか!

ランラン先生

ランラン先生

猫にとって歯周病にならないようにするのは、健康維持のために非常に大切なことなんです。歯周病をきっかけとして、歯周病菌が口の中のトラブルだけではなく、全身の健康に影響することが分かってきました。詳しく見ていきましょう。

猫の歯周病と健康の関係

猫の歯周病は以下の病気と関係があるといわれています。

・腎臓病
・心臓病

これらの病気は歯周病の菌が血管を通り、腎臓や心臓にいきわたってしまうことで起こりやすくなると考えられています。
とくに猫は腎臓病が起こりやすい動物ですので、歯周病になるとさらにリスクが高くなるといえます。

また、歯周病によって以下のトラブルが起こりやすくなります。

・食欲低下による低栄養状態
・顎の骨折など

歯周病が進行した猫は、歯周病菌が周囲の組織を溶かしてしまうことで強い痛みを感じるようになります。また炎症が歯茎だけではなく、顎の骨や鼻腔(鼻の穴の奥)まで広がり、くしゃみや鼻水を起こすことも。
重度の歯周病では強い痛みによって食欲が著しく低下してしまい、ほとんど食べることができなくなるほか、顎の骨が溶けてしまい、骨折するというケースもあるようです。
食欲が低下すると体力も低下していきますので、より病気と闘う力が落ちていくことになります。シニア期の猫では特に注意が必要になります。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

歯周病であごの骨が骨折!?怖いであります!

ランラン先生

ランラン先生

そこまでいくことは非常に稀なケースだとは思いますが、最悪の場合はこういったトラブルにつながることもあるんですね。

ムー

ムー

歯の周りやあごが痛いと食欲も落ちちゃいそうね。食欲が低下し始めたころはどんなものを食べれば良いの?

ランラン先生

ランラン先生

そうならないように普段から気を付けることがベストではありますが、万が一のときにはパウダーフードやミルク、ペーストタイプのウェットフードなどがオススメです。

ゴロー

ゴロー

気が付きにくいからこそ、普段からこまめに歯石が付いていないかをチェックしてほしいであります!

■ tamaの獣医さん 菱沼獣医師からひとこと

米国獣医師学会の研究によると、猫の70%は3歳までに歯周病を発症するというデータもあり、非常に多いトラブルといえます。
動物病院では猫の歯周病を治療することも可能ですが、高齢の猫の歯周病の治療にはリスクが伴います。

それは、猫の歯周病の治療のためには全身麻酔を伴う処置が必要になるケースが多いことが関係しています。
高齢猫の場合、若い猫と比べて体力が低下していることや、歯周病以外の持病ももっている可能性を考慮して全身麻酔での処置を選ばない獣医師も多いです。

また、若い猫であっても歯周病の症状そのものが食欲を低下させるものなので、全身麻酔での処置に耐えられる体力がない場合には治療ができないこともあります。高齢の猫だけに限らず、歯周病は要注意のトラブルです!

猫の口内の健康維持のための取り組みを始めよう!

シニア期の猫で多くみられる歯周病ですが、早い段階で異変に気が付くことができれば、対策をして健康的な状態を維持することも可能です。そのためにも、「猫の歯周病には要注意」という意識を持ってこまめなチェックをしていきたいですね。
猫が歯周病になりにくい口腔内の環境を作っていくことを念頭に、猫の歯に歯石が付いていたり、歯茎の色に変化がないかなどを定期的にチェックしていきましょう。

猫の口の中の状態をチェックするためにも、歯磨きをする習慣をつけることができればベストですが、猫に歯磨きをさせるというのは一筋縄ではいかないことが多いです。
歯磨きが難しいのであれば、口内環境を健康的な状態で維持するのに役立つサプリメントに頼ってみるのもオススメです。

食事にふりかけるだけでも使用できるので、歯磨きが苦手な猫でも日常的にストレスなくデンタルケアを始められます。また、固いものを食べることが困難になってしまった猫にも使えます。

無理なく続ける、デンタルケアにオススメアイテム

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DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

また、糖尿病の猫や免疫系の病気の猫は、歯周病になりやすい傾向にあるといわれています。これは、免疫系の働きが低下することで歯周病菌がより一層増えやすくなるためと考えられています。
これらの持病を持っている場合は、より早いうちから歯石や歯周病のチェックを行うようにしたいですね。

おわりに

本日は猫の歯周病についてご紹介しました。猫の歯周病は口内だけではなく、体の様々な不調につながるリスクとなります。シニア期以降の猫では比較的よくみられるトラブルですが、油断は禁物。普段から猫の歯に歯石が付いていないか、歯茎に異常はないかなどをチェックしていくようにしたいですね。
動物病院などで歯石の除去を行ったとしても、歯がある限りは再発のリスクはありますので、無理なく継続的に取り組める方法で再発しないような工夫を行っていきましょう。

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