• コラム
  • 猫研究所

2025.05.22

猫が伸びる理由とは?柔軟な身体の構造も解説[#猫研究所]

猫が伸びる理由とは?柔軟な身体の構造も解説[#猫研究所]

猫を観察していると、前足を伸ばしてお尻を突き上げ、体を伸ばしている姿を見かけることがあります。なんとなく寝起きだから伸びているのかと思いきや、実はこの伸びのポーズにはさまざまな理由があるのです。
今回は、猫が伸びをする理由、猫の身体が柔軟な理由について、スタッフ猫が調べた内容を報告いたします。

猫が伸びる理由とは?

伸びをする猫

伸びをする猫

猫は、下記の理由により伸びをします。

ストレッチをしている

猫も私たちと同様に、寝起きなどに身体をほぐすためストレッチがてら伸びをすることがあります。
眠っている間に固まった筋肉や関節を伸ばし、いつでも動けるように身体を起こす、準備運動が目的です。

また、ストレッチによる伸びを見てみると、あくび → 手足のストレッチ → 全身のストレッチ → 毛づくろいの順に行われていることが多いです。
この動作を取ることによって猫の大脳が活性化し、意識がはっきりすると考えられています。

身体のやわらかさを保っている

猫は高いところから落ちてもケガをせず、狭い隙間にもスルリと入るほど身体がやわらかいです。
伸びをすることによって身体のやわらかさを保っており、いつ何が起きても対応できるようにスタンバイをしていると考えられます。
全身を伸ばすこともあれば、後ろ足を伸ばしていることもあったり、爪とぎをする際に背中を伸ばしたりすることもあります。
伸びをすると可動域が広がり、身体をやわらかくなることからケガのリスクを下げることができるのです。

リラックスしている

猫の伸びはリラックス状態を表しており、家族がいる前で伸びるという行動は信頼を現していることがあります。
また、横になって身体を伸ばしているときは、家族に対して「甘えたい」「構ってほしい」という気持ちの表れ。
そのため、目の前で横になって伸びをしているときは、優しくなでてあげたり遊んだりして、甘やかしてあげましょう。
猫がリラックスして伸びをしてくれるように、ストレスをかけないような環境を整えてあげることが重要です。

眠たいから

私たちは眠たいときにあくびをしながら伸びをすることがありますが、猫も同様に眠たいときに伸びをすることがあります。
特に、無防備な状態で何回も伸びの姿勢をしている場合は「寝たい」というアピールだと考えられます。
猫は1日16時間眠るといわれていることから、しばしば眠たいアピールの伸びを見かけることがあると思います。
伸びをしたあとに自分の寝床へ向かった場合、睡眠を妨げないように過度な干渉は控えましょう。

気持ちを切り替えたいから

猫は自分の身を守るために、窓口や室内をじっと観察していることがあり、場合によっては長時間に至ることがあります。
私たち家族も同じ姿勢を取り続けると肩がこったり腰が痛くなったりしてしまい、気分転換がてら伸びをするでしょう。
猫も同様であり、同じ姿勢でいることに疲れたとき、全身を伸ばして気持ちを切り替えようとします。
また、興奮した気持ちを落ち着かせる際にも身体を伸ばすことがあるため、猫にとってのリフレッシュ手段といえます。

準備運動している

私たちは運動前に、可動域を広げてケガをしないようにストレッチを行いますが、猫も同様の理由で伸びをします。
しかし、猫は本来狩猟動物であることから、いつでも一瞬で最大限のパワーを発揮しなければならなかったのです。
準備運動のストレッチでは、前足を少し曲げて後ろ足をしっかりと伸ばしている姿などを見受けられます。
リラックスをしながらも、常に自分への脅威や次の行動について考えているのも、狩りの名残と推測できます。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

伸びる動作ひとつとってもこんなに色々な意味があるんでありますね~。

ナナ

ナナ

あたちは抱っこしてもらいたときに家族のおひざに向かってのび~ってするの。そしたら、だいたい何をしててもすぐに抱っこしてくれるよ♪

ムー

ムー

ナナは本当に甘えん坊ね。

猫の身体の構造について

猫の身体の構造について

猫の身体の構造について

猫の伸びを見てみると、身体よりも長く伸ばしているのを見ることができます。
これは背骨の数が人よりも多い・骨と骨をつなぐじん帯や椎間板がやわらかい、皮膚がやわらかいことが挙げられます。

下記は人と猫の胸椎、肋骨、腰椎の数であり、いずれの骨も猫のほうが多いことがお分かりいただけるでしょう。

胸椎 12本 13本
肋骨 12本 13本
腰椎 5本 7本

猫の場合、骨と骨の間にやわらかいじん帯や椎間板があるため、伸びの際に見た目が大きく変化します。
また、猫は肉食動物であることから腸が短い傾向にあり、脊柱で内臓を支えなくても良いため、柔軟性が高くなります。
関節については2倍の長さまで伸びるといわれていることから、その分だけ伸びをしたときに身体が長くなるのです。

このような性質を持つことから、猫が「そんな姿勢で痛くならないの?」となるほど身体をくねらせることがあります。

DOG's TALK

王子

王子

僕がぐに~っと伸びて床に転がってると家族に「長い!」ってびっくりされることもあるのだ。僕的には家族はなんで長くなれないのか不思議なのだ。

ランラン先生

ランラン先生

王子くんはしっぽもふさふさだから余計長くみえるのかもしれませんね。
猫は骨の数や関節の柔軟性のほか、皮膚が柔らかいという特徴もあります。特にお腹から足にかけてのたるんだ部分は「ルーズスキン」と呼ばれ、お腹部分の皮膚がよく伸びることで、内臓を守ったり、咄嗟に逃げるときに突っ張らないといったメリットもあるんですよ。

おわりに

今回は、猫が伸びをする理由についてご報告しました。
猫はストレッチや柔軟性の維持、リラックス、眠たい、気持ちを切り替えたいからといったさまざまな要因により、伸びをします。
伸びをしているとき、背骨の数が人よりも多い・骨と骨をつなぐじん帯や椎間板がやわらかい、皮膚がやわらかいことから、身長よりも長くなります。
猫が私たち家族の前で伸びをしているときは信頼をしている証。私たちも猫が伸びをする姿をじっくりと堪能しましょう。