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2020.05.14

猫の目の異変に気が付いたら。目ヤニが多い、涙が出ている時などにチェックしたいこと

猫の目の異変に気が付いたら。目ヤニが多い、涙が出ている時などにチェックしたいこと

一緒に暮らしている猫にはできるだけ元気で長く健康に過ごしてくれないと困ります。何かトラブルが起きた時には、なるべく早く異変に気が付くことが猫の健康管理には重要です。猫の健康チェックに気を付けたいポイントはいくつかありますが、その中から今回は猫の目に注目。

まるで宝石のような美しさを持っている猫の目にも、体調の変化が現れることがあります。今回は、猫の目に見られる変化と体調についてご紹介します。

猫の目から涙が出ているとき、チェックしたいこと

健康的な猫の目はきれいに澄んでいます。猫はきれい好きな動物なので、目ヤニや涙が出ても自分で顔を拭ったり、プルプルと首を振った時に飛散するので、犬のように目ヤニや涙が出たままになることはあまりないといわれています。
(犬は猫のように上手に自分の顔を拭くのが苦手です)
ただ、寝起きの時などには目ヤニや涙が出ることもあります。

そのため、猫の目から涙や目ヤニが出ている、と気が付いたら「一時的なものではないか」「その状態がどれくらい続いているのか」がポイントです。

猫の目から涙や目ヤニが出ている状態が続くとき、どんな可能性があるのでしょうか?注意するべきことはあるのでしょうか?まず、一緒に暮らす私たちが猫の目から涙が出ているときに知っておきたい情報を簡単にまとめてみました。

被毛が目に入ってしまった

顔周りの被毛が目に入ってしまうことがあり、ずっと目の中がゴロゴロしているような状態になることも。猫の目をよく観察してみると、たまに毛が入ってしまっていることがあります。人間でも目の中にまつ毛などが入ってしまうことがありますよね。
でも、この時手などで毛を取り除こうとするのは危険です。自然に涙などで流れるのを待ってください。なかなか取り除かれない場合は、動物病院で相談してみましょう。

毛が入ったままになってしまうと猫が取り除こうとしてこすったりして、角膜が傷ついてしまうことがあります。場合によっては目薬などで洗い流す必要がある場合もあるようですので、この状態が数日続くようであれば、動物病院で処置をしてもらうのがよさそうです。

体質的に涙が出やすい

体質的に涙があふれやすい体質の猫もいます。
目の表面を覆う涙を排出するための器官を鼻涙管と呼びます。目であふれそうになった涙を鼻に流して排出するのですが、猫の中にはこの鼻涙管が詰まりやすい体質の猫もいます。

鼻涙管が詰まってしまう理由としては、アレルギーのように炎症が起きてしまったり、猫の種類によっては骨格的に涙が流れにくいなどがあります。根本的に鼻涙管の流れを良くするためには外科手術が必要になるのですが、涙が出てしまうこと自体はそこまで健康に影響がないので、手術をせずに長く付き合っていくことを選ぶ方も多いです。

対策として、猫の鼻涙管が炎症を起こさないように食事の内容を見直す方が多いようです。その猫の体質に合った食事を探すことは効果的ですが、なかなか根気のいる作業になるかもしれません。また、涙があふれた状態が続くことでいわゆる「涙焼け」が起こりやすくなります。涙焼けの予防として涙のpHを弱酸性に維持するものがあるので、食事の見直しと合わせてこう言ったサプリメントを取り入れてみるのもおすすめです。

そのほかには、食物アレルギーだけではなく、ハウスダストなどに敏感に反応してしまう猫もいるので住環境を清潔に維持することも大切です。

結膜炎、猫風邪など

猫の目は黒目の部分が大きく、白目がほとんど見えないので初期ではわかりにくいのですが、猫も人間と同じように結膜炎になることがあります。人間同様、目の中に雑菌が入ってしまうことで結膜炎を起こすと、瞬きがしにくそうにするなどの変化が見られます。目を細めるような状態が続くこともあるようです。
目ヤニが多く出るようになったり、涙が止まらなくなるといったこともあり、顔周りに汚れがみられるようになります。この状態が続くと、瞬膜にも広がり、瞬きができなくなってしまうなどの症状が出ることもあります。

猫の結膜炎や猫風邪は、免疫力の低下を防ぐことで予防できるようです。人間と同じく、しっかりと栄養のある食事を食べて、安心できるストレスのない環境で過ごすことが大切です。
症状が出た場合は、動物病院で診断を受けて、処方された目薬や抗生物質などを続けるようにしましょう。
猫の結膜炎は移ってしまうことがあるので、他の猫との接触を避ける必要があります。多頭飼育をしている家族では、特に注意が必要です。猫の目に変化が見られたら速やかに動物病院に相談してみてください。

物理的にケガをしている

猫は基本的に高い運動神経を持っていて、運動するのが大好きな猫もいます。子猫や若い猫であれば特にそうですが、はしゃぎすぎて勢いよく物や壁などにぶつかってしまい、ケガをしてしまうことも。
猫が目の周辺をケガしてしまうと、その痛みや違和感から目元を良く拭うようになったり、涙や目ヤニが出るようになることがあります。

おわりに私たちが猫の目のためにできること

今回は、猫の目から涙や目ヤニが出ているときにチェックしたいことをまとめてご紹介しました。
美しくてかわいい猫たちの目。猫は悲しみなどの感情が理由となって涙を流すことはないといわれますが、だからこそ涙が出ているときにはその様子をチェックしておくことが大切です。どれだけの期間涙が出ているのか、それ以前に何かきっかけになるような出来事はなかったかなどを、獣医師さんに相談してみると診断の助けになるかもしれません。
また、猫の目から涙が出ている、という状態ひとつをとっても、原因となるものや対策するべきことは様々です。猫たちの様子を観察したり、獣医師さんと相談しながら猫に合ったサプリメントなどを探してみてくださいね。

また、猫の目には結膜炎や猫風邪などウイルスによって起きるものがあります。これらは私たち人間が猫に触れるときに手洗いを行うことである程度予防することが可能です。また、すでに結膜炎や猫風邪の症状が出ている猫に触れた後も手洗いをこまめにすることで、ほかの猫に移してしまうリスクを抑えることができます。

猫にとっても目はとってもデリケートな器官。むやみやたらと触ることは避けつつも、猫の目を定期的にチェックすることで猫の異変の早期発見につながることもあるので、衛生面には気を付けてコミュニケーションの一環として猫の目元を観察してみるのがいいのかもしれませんね。