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2025.04.24

猫の目の色は何種類?珍しい色や健康のサインとは?《cat academy》

猫の目の色は何種類?珍しい色や健康のサインとは?《cat academy》

かわいい猫の顔。その中でもついつい惹かれてしまうのが猫の瞳ではないでしょうか。その瞳は、ブルーやグリーンといった、さまざまな色をしています。
猫の目の色は遺伝子によって作られるものですが、なかには珍しい色の瞳の場合も。また、猫の視力はどれくらいで、世界はどのような色で見えているのでしょうか。

今回は、猫の目の色は何種類なのか、珍しい色や健康のサインなど、猫の目の色の謎(にゃぞ)について調査してみました。

第1の謎(にゃぞ)猫の目の色は何種類?

一般的な猫は、下記のような目の色を持ちます。
猫の目の色には、大きく分けて5種類があり、それぞれに特徴的な美しさと魅力があります。

ブルー

ブルーの目を持つ猫を見ると、どこか高貴さや神秘的な雰囲気が漂っているものです。
薄い色のアクアや中間のブルー、濃いサファイアブルーなど、ブルーのなかにはさまざまな種類が含まれています。
瞳の色はわずかな色素が光の作用によって拡散される「レイリー拡散」という物理現象によってブルーに見えます。

グリーン

グリーンの目は、シルバーの被毛を持つ猫に特に多く見られる色です。
特に、ロシアンブルーについてはグリーンの目を持つ猫のみが認められる種類になります。
子猫のころは淡いブルー・アクアをしていますが、成長すると徐々に緑が強くなり、最終的にグリーンに変化します。

アンバー(ゴールド・イエロー)

アンバー(amber)を日本語に訳すと琥珀を意味する単語であり、猫の目においてはゴールドやイエローとも呼ばれます。
セーブルやプラチナ、ブルーといったさまざまな毛色のバリエーションを持つ猫に多く見られます。
目のメラニン色素が少し強めで、レモンのように淡い色からゴールドに近い色まで、アンバーにもさまざまな種類が含まれます。

ヘーゼル

ヘーゼル(hazel)は植物の名前であり、猫の目においてはヘーゼルナッツのような色を指します。
目の外側が薄いブラウンやイエロー、内側がグリーンのように2色のグラデーションになっています。
色の出方には個体差があり、光の加減によってブラウンが強調されて見えることがあります。

カッパー

カッパー(copper)は濃いメラニン色素によるカラーを指すもので銅のような赤みを帯びた茶色。
黒猫など濃い色素を持つ猫に見られることが多いです。
特に、ボンベイやシャルトリューといった猫の種類は、このカッパーの目を持つ猫が多い傾向にあります。

第2の謎(にゃぞ)珍しい目の色は何色?

珍しい目の色の猫

珍しい目の色の猫

猫のなかには、なかなか見かけない下記のような珍しい目の色を持っていることがあります。

オッドアイ

オッドアイとは、左右で目の色が異なる状態を指すもので、正式には「虹彩異色症」といいます。
片方にブルー、もう片方にアンバーやカッパーが表れており、出現割合は全体の1割程度といわれているのです。
また、左右の目の色が違うだけではなく、ひとつの目に2色が混じっている「ダイクロイックアイ」と呼ばれるものもあります。

レッド

猫のなかにはウサギのように目が赤くなっているものがあり、こちらはアルビノ種と呼ばれています。
アルビノ種は「先天性色素欠乏症」の症状であり、メラニン色素を作れないため、血管の色がそのまま目に表れているのです。
そのため、レッドの目はアルビノ種である白猫にしか見受けられません。

ちなみに、猫の眼球の仕組みは人間と同じで白目も存在しますが、瞳孔と、瞳孔の周りの虹彩の部分が大きいため、白目の部分は通常時、正面から確認することはできません。
また、猫が寝ているときにまれに白目のように見える部分は、瞬膜と呼ばれる瞼が見えている状態であることが多いようです。

第3の謎(にゃぞ)注意が必要な目の色もある?

猫が持つ本来の色から変わり、下記のような色に見えるようになったときは注意が必要です。

白色の目

角膜炎、角膜潰瘍、白内障、角膜混濁症

赤色の目

結膜炎、ぶどう膜炎、前房出血

緑色の目

緑内障

黄色の目

肝臓病、細菌・ウイルス感染、腫瘍、肝炎、肝硬変

黒色の目

角膜黒色壊死症(角膜分離症)、悪性黒色腫(メラノーマ)

これらの症状には家庭での治療が難しいものがあるため、早めに獣医師に相談しましょう。

第4の謎(にゃぞ)猫の視力と見えている色

猫の視力と見えている色

猫の視力と見えている色

猫は暗闇を歩いたり、素早く動く動物を捕まえたりするため、「猫は目が良いのだろう」と思う人は多いと思います。
猫が暗闇のなかを歩ける理由は視力ではなく、網膜のなかにある「桿体(かんたい)」と「錐体(すいたい)」が関係します。桿体は光を感知して、錐体は明るい場所で色や形を認識する機能を持ちます。猫の目には光を感知する桿体が多いことから、人が光を感じる能力の6倍程度の能力を持つといわれています。
視力については人の1/10程度しかないといわれていますが、動体視力は4mm/秒を感知できる、高い動体視力を持ちます。
色素について、私たち人間は、赤・青・緑の3色を判別できる三色型色覚を持ち、それらがかけ合わさって生まれる様々な色を認識しています。しかし、猫は赤を認識する細胞を持たない二色型色覚です。そのため、猫の世界は青・緑、そしてこの2色が混ざった色で構成されています。
そのため、猫にとって赤はくすんだ灰色、または緑に見えていると考えられています。オモチャを選ぶ際には、赤よりも、青や緑のオモチャの方が盛り上がるかもしれません。

【関連記事】猫の目はなぜ光るの?どんなトラブルに気を付けるべき?猫の目のアレコレ

おわりに

今回は、猫の目の色の謎(にゃぞ)について調査しました。
多くの猫にはブルーやグリーン、アンバー、ヘーゼル、カッパーといった、さまざまな色の目が見受けられます。オッドアイやレッドについては猫の種類にかかわらず、全体でも見受けられる割合は少なくなっています。
また、一見高い視力を持つと思われている猫ですが、実は人の1/10程度の視力です。赤を認識する細胞がないため不便に思われるかもしれませんが、その代わりに高い動体視力を持ちます。
一方、本来持つ色から白・赤・緑・黄・黒に変化した場合、さまざまな病気を発症している可能性があります。猫の目に違和感を覚えたときは自宅での治療が難しいため、早めに動物病院へ相談しに行きましょう。