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2018.01.01

獣医師「庄野舞」プロフィール

獣医師「庄野舞」プロフィール

■ 庄野 舞(Shono-Mai)

東京大学 農学部獣医学科卒業。
東京大学付属動物医療センターにて、血液腫瘍科、神経内分泌科、消化器内科で従事。
たくさんのペットの生死を見てきて、共に戦った飼い主さんが最終的に願うのは「食べさせてあげたい」という思いであることに気づく。
現在は、病気予防のふだんの食事のこと~漢方、植物療法の世界の探求に励む。はじめの一歩に漢方茶マイスターを取得。
得意分野は、犬猫の血液腫瘍と回虫。

■獣医師を目指した幼い日々

獣医師を目指そうと決めたのは、幼稚園のころ。
「ドリトル先生シリーズ」を初めて読んで、わたしも動物たちとお話ができるようになりたい!と思ったのがきっかけでした。
特に貝の言葉の習得に四苦八苦しながら、でもひたすら貝に寄り添う先生の姿は、今でもよく覚えています。
そこからたくさんの動物たちを家族に迎えいれながら、その夢は一度も変わることなく、今に至っています。

■獣医師としてスタートした頃

いつか動物たちと話ができるようになったらとは常に思いながら、言葉が通じない動物たちと、人との懸け橋になりえる獣医師の仕事に就けたことにとても感謝していた毎日。
ハードな日々の中でも、犬猫たちとの触れ合いは、時間を忘れさせてくれました。

■東京大学付属動物医療センターで学んだこと

大学病院は、二次診療施設と呼ばれる医療機関であるため、街の獣医さんから紹介を受けた犬猫たちが来院する場所になります。
わたしは内科に所属していましたので、手術が適用とならない、要するに一生付き合わなければいけないような病気を抱えた犬猫たちを主に診ていました。

そんな犬猫たちの生死といつも隣り合わせの医療現場で感じたのは、世の中よくわからない情報で溢れている!という戸惑いでした。

■そんな情報に対するわたしの姿勢

 ―これを飲んだら治る
 ―この薬は/この食事は、実は身体によくない

人でも同じですが、ぱっと読んだだけでは、ただのセールストークなのか本当のことなのか、真偽のほどが分からないたくさんの情報がインターネット上に日々書き込まれています。
身体の仕組みや病気の原因、治癒の方法においては、まだまだ分かっていないことも多いですが、そんな中でも、できるだけ客観的に物事を調べ、聞き、学び、わたしなりの考え見解をまとめたい、、、、と思っています。

■人も犬猫も健康で幸せな世界になってほしい

犬猫の健康や幸せを思う時、毎日の食事はとっても大事な時間であり、きっと飼い主さんも彼らが美味しく食べている姿を見るのが、かけがえのない時間になっていると思います。
犬猫たちの健康と、時には人の健康だって考えながら、ドリトル先生のように動物たちと人が仲良く共生できる世界を作るお手伝いができたらと思っています。

■(ネコ科は特別)

そんなわたしが最も長く一緒に暮らしたのが、猫です。
なぜか小さいころから長毛の猫がタイプで、メインクーン2頭と共に、大人になりました。

勉強していると机の上に乗ってきて、ボールペンをがじがじ。
しかたないなあ、って何度も勉強をストップしては猫と遊んだり。

初めての失恋を経験して、大泣きしながら部屋にこもっていた時、部屋の扉をこじ開けて、おもちゃを咥えて運んでくる姿にくすっと笑ってしまったり。

猫たちとの思い出は、今思い返しても微笑んでしまうような、愛おしいものばかりです。

動物全般大好きですが、猫は特別。
一番話ができたら嬉しいのはネコ科のみんなです。死ぬまでになんとか話せるようにならないか、独自に調査していこうと思います。