• コラム
  • スタッフコラム

2019.11.28

冬に注意が必要。猫の膀胱炎の症状を段階別に紹介。

冬に注意が必要。猫の膀胱炎の症状を段階別に紹介。

急に寒さを感じるようになり猫たちも暖かい場所でのんびりする時間が長くなったりなど生活リズムに変化が出てきた頃ではないでしょうか。
猫たちの体調の変化に常にアンテナを張り巡らせておきたいところですが、この時期は特に「膀胱炎」に注意が必要です。

そこで、この時期知っておきたい猫の膀胱炎の基礎知識をまとめてみました。

猫の膀胱炎ってどんな病気?

猫だけではなく、人間もかかることがある膀胱炎。長時間尿が出ないことで、膀胱内に雑菌が繁殖してしまい、さまざまなトラブルが引き起こされる症状です。
主な症状としては、血尿が出たり、慢性化するとストルバイト結晶などを引き起こしやすくなるほか、残尿感から何度もトイレに行くのに尿が排出されなくなる排尿障害などが起きます。また、場合によっては排尿の際に痛みが起きるので、さらにトイレに行かなくなってしまい、症状が進んでしまうことも。

いずれにしても、より早く猫たちが尿を出すことができるよう促し、膀胱の中に溜まった尿を出すことや、場合によっては増えてしまった雑菌を減らす抗生物質を飲み薬で処方されたり、注射するなどの治療が行われます。

膀胱炎の症状について

猫が膀胱炎になる時、急に血尿が出るなどと思われがちですが、段階的に症状が進んでいきます。少しでも猫たちの負担を軽くするためにも、膀胱炎の兆候や猫たちに見られる変化についてご紹介します。

■飲水量が減る、動かなくなる

暑い時期には猫たちは体温調節のためによく水を飲むようになります。基本的に被毛で全身が覆われている猫たちは、体温調節があまり上手くないので、水を飲んだり毛づくろいをすることで体温を下げるといわれています。
しかし、寒い時期になると猫たちは暖かい場所から動きたがらなくなる傾向があります。猫の祖先は暖かい地域で暮らしていたとも言われていますし、「♪猫はこたつで丸くなる~」なんて歌われている通り、多くの猫は寒がりです。
体温を下げる必要もなく、暖かい場所から動かなくなり、給水量が減りトイレの回数も少なくなる傾向にあります。
必然的に膀胱内にオシッコが溜まりやすくなってしまいます。

 

■トイレの回数が明らかに減る、ウンチが固くなる

膀胱炎の兆候が見える猫たちは、トイレの回数が明らかに減っていきます。システムトイレタイプの猫のトイレを使っている人ならひと目で分かりますが、1日あたりの尿の回数や量が減っている様子であれば要注意です。
また、飲水量が減ることでウンチも固くなりやすくなります。猫たちがウンチをする時にいつもよりポロポロ、固いウンチをしているようであれば、それも飲水量が減っているサインになります。
オシッコの回数や量が減り、なおかつウンチもいつもより固めになっているようであれば、飲水量を意識的に増やす取り組みを始めてみてください。

 

■オシッコの色が変わる、オシッコのニオイが変わる

本格的に膀胱炎の症状が見られる段階になると、まず気がつくのが猫たちのオシッコの色の変化。初期の膀胱炎であれば、普段とは違いオレンジ色がかったような色に変化します。さらに症状が進むと徐々に赤褐色、血の色へと変化していきます。
この状態になると、膀胱の中の粘膜が炎症を起こし、出血していることが多いので、尿の色が変化します。膀胱内の雑菌が繁殖することで、尿pHがアルカリ化しストルバイト結晶をより作りやすくなってしまいますので、動物病院では菌を倒す抗生物質などを使い治療を行っていきます。

また、血尿などのオシッコの変化が見られる猫たちは、オシッコのニオイにも変化が見られます。オシッコのニオイ自体がきつくなり、若干の血のようなニオイが混じり始めるので、気がつくことも。

多頭飼いなどでウンチやオシッコの変化に気がつきにくいケースもあると思いますが、なるべく早く気がつけると良いですね。

猫の膀胱炎を防ぐための対策ポイント

■猫のトイレがある部屋の温度

猫たちは寒がりなので、部屋の温度が低いところには行きたがりません。暖かくて居心地の良い場所でゆっくり、くつろぎたい…というのは人も猫も同じ。
そのため、猫たちのトイレの場所の温度にも注意が必要です。猫たちはトイレの周囲が寒いとトイレに行きたがらず、オシッコの頻度が落ちてしまうことがあります。
また、猫たちは急な寒さがストレスになり、膀胱炎に繋がってしまうこともあるので、室温の管理が予防のポイントになります。
特にトイレを置いてある場所が寒いように感じたら、暖かい位置にトイレを増やすことで猫たちのオシッコを促すことができるかもしれません。
ちなみに、もともとトイレのあった場所から違う場所へ位置を変更することは猫たちにとってストレスになる場合があるので、注意して行ってくださいね。

 

■飲み水をミルクやスープに変えてみる

猫たちがとにかく水を飲まない時は、オヤツ感覚で楽しめる水分補給アイテムとしてミルクやスープを活用してみましょう。猫たちに「膀胱炎になっちゃうよ!」といってもあまり効果はありませんので、それなら美味しい水分補給方法に変えてしまいましょう。
この場合は与えすぎてしまうと肥満に繋がる場合もありますので、オヤツ感覚で与えるか、代わりにごはんの量を少し調整するなどの工夫を合わせて行うのが良さそうです。

■ウェットフードを中心にした食事スタイルに変えてみる

もともと砂漠などの乾燥地帯で暮らしていた猫たちのご先祖様。そんな環境で猫はどのように水分を摂取していたかというと、食事として生の肉などを食べてそこから水分を確保していた、と言われています。
そのため、猫たちはあまり水を飲まない性質があるのですが、猫たち本来の食事のスタイルに近づけたウェットフードなら、無理なく水分を摂取させることができるはずです。

猫たちの飲水量が少なくなりやすい時期は、総合栄養食タイプのウェットフードを中心とした食事メニューに切り替えるのもひとつの方法です。自然な形で水分摂取量を増やし、猫たちの体調管理に役立ててみてください。

■総合栄養食タイプのウェットフードはこちら

対象商品を見る