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2020.03.26

猫にシャンプーって必要?被毛の仕組みとシャンプーの影響について。

猫にシャンプーって必要?被毛の仕組みとシャンプーの影響について。

tamaでは、猫との暮らしに関するお悩みを相談していただけるコンサルティングサービスがあるのですが、「猫ってシャンプーした方が良いんでしょうか?」というご質問が届くことも。
たしかに、ペット用品店などでは「猫用シャンプー」と書かれたグッズを目にする機会も増えてきました。

そこで、今回は猫にとってシャンプーは必要なのか?そうではないのか?という疑問について考えてみることにしました。

猫にシャンプーをさせる必要性はあるの?

猫と一緒に暮らしていると、毎日綺麗に全身の毛づくろいをする猫の様子を見ますよね。猫は基本的に非常にきれい好きな生き物です。
これは猫が野生では自分で狩りをして食事を得ていた優秀なハンターだったことに起因していて、自分のニオイが獲物に気づかれないようにする必要があったためだといわれています。猫のハンティングはこっそりと獲物に近付き、素晴らしい瞬発力と身のこなしで華麗に倒すというスタイル。体臭がひどいと、獲物にすぐに気が付かれてしまい、狩りが失敗するという訳です。

また、食事の後も自分で顔や口元を拭うことが出来るので、食べ物のニオイが付いてしまうということもありません。
そのため、健康的な猫であれば、猫自体に体臭はないといわれていて、室内で暮らしている猫の場合は大きく汚れるようなこともないと考えられます。

例外として、子猫の時期やハイシニアになってトイレを失敗してしまったり、下痢などで押し利回りが汚れてしまった時などには、猫の体が汚れてしまうことがあります。

皮膚トラブルや体質などによって皮脂が過剰に出てしまい、ニオイやべたつきが発生したり、外耳炎によって耳からニオイが発生するようになったり、歯周病などによりよだれがたくさん出てしまうことでニオイの元になるケースがあります。

また、猫種や体質によっては、皮脂汚れが出やすく、シャンプーが必要とされる子もいます。

基本的に家の中で暮らす猫にシャンプーは必要ないといえますが、猫の体調や性格などを踏まえて家族が判断をしていきましょう。シャンプーが必要になった時は以下のポイントに気を付けてシャンプーに挑戦してみてくださいね。

自宅で猫にシャンプーをする時の注意点

猫をシャンプーする時には、いくつか注意したいポイントがあります。

◆猫をパニック状態にさせない
猫の大部分は水(お湯)に入るという行為に慣れていません。猫は砂漠地帯で生きてきた歴史を持っている生き物なので、水の中に入るという行為はとても怖いものだと思っています。そのため、いきなり水やお湯に入れてしまうと猫がパニックになってしまうことがあります。パニックになった猫は暴れたり走り回ることが想定されるので、人間も猫も怪我をしないように、場合によっては洗濯ネットに入れるなどの方法が必要になることもあります。
シャワーを使わず少しずつ手でお湯をかけてあげる、足先からゆっくりと濡らす、お尻の方から濡らすなど、
猫を驚かせたり、怯えさせないように工夫してみてくださいね。

◆猫の被毛はダブルコート。洗うのも乾かすのもテクニックが必要
猫の被毛はいわゆるダブルコートがほとんどです。ダブルコートとは、被毛がアンダーコートと呼ばれるフワフワとした毛とオーバーコートと呼ばれる長くしっかりとした毛の二層で構成されているもののことを言います。
猫の毛は一本一本が非常に細く、柔らかいだけでなく、量が多く水分を含むとなかなか乾きにくいという特徴があります。シャンプーをする時も毛が絡まってしまったり、洗い残しがでたりして皮膚や被毛のトラブルの種になることも。特に抜け毛が増える換毛期は、シャンプーの前にしっかりブラッシングをして死毛を取り除いてからにしましょう。
また、アンダーコートは密度も高く、乾きにくいのが特徴。濡れたままの状態では当然体温が下がり、体調に影響が出てしまいます。
シャンプー後は、しっかり猫の被毛を乾燥させるまで根気よく乾かしてください。


◆使用するシャンプーは猫の皮膚や被毛に優しいものを。
猫の皮膚は人間よりもずっと薄く、デリケートだといわれています。
猫も皮膚の表面には、雑菌の繁殖や体内への侵入を防ぐバリア機能を持っていますが、頻繁にシャンプーをすることによって皮膚の表面の水分量や皮脂のバランスが崩れ、バリア機能が低下してしまうことがあります。かゆみが出たり、フケや脱毛などの症状が出ることもあるようです。
それでも、シャンプーが必要な場合は猫の皮膚や被毛に刺激にならないようなもの、そしてにおいが付きにくいものを選ぶのが良いと思います。

DOG's TALK

猫にシャンプーをすることは、人間にも猫にもとっても大変なことで、覚悟が必要なことも。基本的には猫の体が汚れてしまった、と感じたとしても、猫の体調を考えると拭き取りやブラッシングなどをメインとしたほうがよさそうです。
「うちの子はシャンプーしても大丈夫かな?」と猫の普段の様子を観察して、判断してみてくださいね。

おわりに

猫種によってはシャンプーは必要ですが、基本的に一般的な健康な猫であればシャンプーは必要はありません。シャンプーが苦手な猫の場合は、汚れた部分だけを拭き取り、軽く洗う程度にしておく方が良いでしょう。
ただ、猫が普段から水に慣れていたり、濡れることを嫌がらないようであれば、挑戦してみるのも良いかもしれません。普段の猫の様子から判断できるのは家族だけです。

全身の被毛が白い猫など、汚れが目立つと感じた場合は、専門の知識と機材を持っているトリミングサロンや動物病院に問い合わせてシャンプーをお願いするなどした方が良いかもしれませんね。