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2020.11.26

猫の膀胱炎の予防に意識したい、水分補給のコツ

猫の膀胱炎の予防に意識したい、水分補給のコツ

寒さが厳しくなってくると、次第に増えてくるトラブルのひとつが猫の膀胱炎などのオシッコに関するもの。
一度膀胱炎になってしまった猫は再発することも多いので、注意したいですよね。本日はそんな猫のオシッコトラブルを予防するためにできる工夫についてまとめてみました。

猫のオシッコトラブルが増える時期って?

だんだん寒さが厳しくなっていく冬の始めから春先にかけてが、猫のオシッコトラブルがとくに増える時期。

実は、猫の膀胱炎についてはまだまだ研究が進められている段階で、分かっていないことも多いのですが、膀胱炎の発症にストレスが関係しているという見方がされるようになってきています。
猫にはできるだけストレスを感じさせないように心がけることが大切なのですが、それ以外にも私たち家族にできることがあります。

それは、飲水量を維持してオシッコの回数を減らさないようにすること。
寒くなってくると猫たちは丸くなって眠っている時間も長くなりますし、寒さのために水を飲む回数が減り、トイレ行く回数も減る傾向にあるようです。
膀胱炎になってしまうと、オシッコをするたびに痛みを感じるようになり、より一層トイレから足が遠のいてしまいまったり、逆に何度もトイレに行くのに何も出ない…といったさまざまな症状が出ます。

猫の膀胱炎を防ぐための取り組みとしては、猫にしっかりとトイレに行ってもらい、オシッコをしてもらうことがカギになります。

猫の特発性膀胱炎

猫に多いトラブルである膀胱炎ですが、犬の膀胱炎とは大きな違いがあります。それは、猫の膀胱炎は原因を特定するのが非常に難しく、原因不明とされることが多いということ。
膀胱炎の原因として考えられるものには、膀胱内の雑菌の繁殖などがあります。しかし、膀胱炎の猫のオシッコを確認しても雑菌が大幅に増えていたりといった原因の裏付けとなるものが出ることはあまりなく、原因の特定が困難なケースが多いのだそうです。これらの「ちょっと原因が分からない膀胱炎」を特発性膀胱炎(間質性膀胱炎/突発性膀胱炎)と呼び、猫の膀胱炎の半数以上を占めるといわれています。
これは人間の間質性膀胱炎と呼ばれるタイプの膀胱炎とよく似ている特徴で、細菌が出ていないため抗生物質も細菌性の膀胱炎ほどの効果が期待できないといわれています。

猫の特発性膀胱炎は、10歳以下の若い猫に多く、子猫でも起こることがあり、良くなったと思ったらぶり返すことも少なくありません。そして、不思議なことに10歳以上のシニア猫になると徐々に起こりにくくなっていきます。
原因は分からないけれど、何度もぶり返してしまう特発性膀胱炎の引き金のひとつとして考えられているのが、交感神経の働きです。交感神経は、緊張している時や興奮している時、ストレスを感じている時に活性化しますが、この交感神経が活性化すると膀胱の粘膜が刺激を受けてしまうようです。ですから、膀胱炎の予防のためには普段から猫が緊張やストレスを感じていないかを振り返ることも、意識していきたいですね。

ウェットフードを活用する

ウェットフードには水分がたっぷり。総合栄養食で1食まるごと置き換えもOK

ウェットフードには水分がたっぷり。総合栄養食で1食まるごと置き換えもOK


猫のオシッコトラブルの予防には、飲水量を増やす・維持することがとても大切だといわれています。

そのための取り組みとして、オススメなのが猫の普段の食事にウェットフードを取り入れること。ウェットフードはドライフードと比較しても水分量が多くなっているだけではなく、嗜好性が高く喜んで食べてくれる猫が多いことも特長です。
普段はドライフードを主食として与えている猫なら、水分量が多いウェットフードを副食として与えたり、総合栄養食タイプのウェットフードを主食として与えることで自然に猫に水分補給を促すことが出来ます。

DOG's TALK

毎年のように膀胱炎を繰り返してしまう猫の場合、とくに寒い時期だけは主食をウェットフードに切り替えてみるのもオススメです。とはいえ、いきなりドライフードからウェットフードに主食を切り替えるとお腹を壊してしまうこともあります。最初は少しずつドライフードにトッピングするなどして慣れさせながら、切り替えてみてください。

オヤツで楽しく水分補給

猫との楽しいコミュニケーションでもあるオヤツの時間。この時に水分補給が出来るものをオヤツとして与えるのもオススメです。
たとえば、ゴートミルクや猫用スープをオヤツとして食べさせるだけでも水分補給になります。
また、ピューレタイプのオヤツを与える際もそのまま食べさせるのではなく、小皿に出して少し水分を足して混ぜて食べさせるなどの工夫をしてみるのもいいですね。

水飲み場、トイレの環境チェックを

そして忘れてはいけないのが、猫の水飲み場やトイレの環境のチェックです。

猫は全身フワフワの毛で覆われていますが、寒がりな子が多いようです。水飲み場やトイレなどが寒いと感じると立ち寄らなくなってしまうので、冬の間は暖かい部屋の中や猫のお気に入りの場所の近くに水飲み場やトイレを一時的に増やすのも予防としてオススメです。

水飲み場は新鮮な水がいつでも猫が好きなタイミングで飲めるように、そしてトイレは清潔に維持できているかもチェックしてみてください。

神経質な猫の場合は、水を飲む時やトイレ中にリラックス出来そうかどうかも注目しましょう。
猫にとって、水を飲んでいる時やトイレ中はとても無防備になる時間なので、人がたくさん通る場所や他の猫の邪魔が入りやすい場所では、安心して水分補給やトイレが出来なくなることがあります。また、ほかの猫のウンチやオシッコがある場所を嫌がる猫もいます。

DOG's TALK

猫の膀胱炎などのオシッコトラブルには、ストレスの管理もポイントの一つのようです。トイレや水飲み場の環境に加えて、猫が安心して過ごせる場所や時間があるのかなどもチェックしてみてください。
運動や遊びも十分なのかも大切なことのひとつ。適度な運動を心がけたいですね。

おわりに

本日は寒い時期に増える猫のオシッコトラブルの予防のためにできることをご紹介しました。
猫の体調不良は一緒に暮らしている家族にとっても辛いもの。オシッコに関連するトラブルは、一度起こってしまうと何度もぶり返しやすくなる厄介なものですが、私たちの工夫で防ぐこともできるものです。
寒い時期には定期的に猫のオシッコの回数やオシッコの色もチェックしながらできることから始めてみてはいかがでしょうか。