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2021.09.30

早めのスタートがオススメ!猫の毛玉・ヘアボール対策の基本

早めのスタートがオススメ!猫の毛玉・ヘアボール対策の基本

猫の健康維持のために意識したいポイントはいくつかありますが、季節ごとに多くなるお悩みもあります。今回はその季節に関係する猫の健康維持ポイントの中から、毛玉やヘアボールと呼ばれるトラブルの対策についてご紹介します。

季節の変わり目になるといつもよりも頻繁に猫が毛玉を吐いてしまうというお悩みをお持ちの方は多いですが、対策することはできるのでしょうか?
毛玉が起こる原因を踏まえて対策をご紹介しますので、猫に合わせて取り入れてみてくださいね。

猫の毛玉・ヘアボールってどんなもの?

まずは猫の毛玉、ヘアボールとはどんなものなのか、なぜできてしまうのかをご紹介します。これらはその名の通り、猫の抜け毛がお腹の中で固まってしまうことで作られます。

猫はきれい好きな動物ですから、自分で毛づくろいを行います。その時に口に入ってしまった抜け毛が消化器系を通ることになります。本来、猫にとって被毛は栄養として消化吸収することができないものですが、少量であればそのまま消化器を進んでいき、ウンチとして排出されます。

しかし抜け毛の量が一時的に多くなる「換毛期」を迎え、猫が飲み込んでしまう抜け毛の量が多くなると、胃の中で抜け毛がまとまって固まっていきます。このことを「毛玉ができる」「ヘアボールができる」と呼びます。なるべくヘアボールが消化器系のなかでできてしまわないように、対策を行っていくことが猫の健康維持のためには重要になります。猫のお腹の中でたまった毛玉やヘアボールは、時折猫が吐き出すこともあります。


カナダの獣医師が行った調査によると、持病がない健康な猫を対象として聞き取り調査を行ったところ、猫が年に2回以上毛玉を吐く割合は短毛種で25%程度、長毛種で半数程度という数字が出たといわれています。あくまで、これは限られた地域で行われた一つの調査結果ではありますが、だいたい短毛の猫の25%、長毛の猫の約半分は半年に1度以上は毛玉を吐くと考えて良いと思います。

お腹の中で毛玉ができない状態が理想的ですが、毛が長くボリュームのある長毛猫や外での生活が長くブラッシングが苦手な猫などは、どうしても飲み込む毛の量も多くなってしまい、短毛の猫やブラッシングに慣れている猫と比べるとお腹の中に毛玉やヘアボールができやすいといわれています。
お腹の中でたまった毛玉やヘアボールを吐き出すこと自体は、生理的な反応と見ることもできますので、毛玉を吐くことが多いからといって病気とすぐに結び付けてしまうことはできないそうです。

■ 毛玉を吐き出すことができないとどうなるの?

猫が多くの毛を飲み込んでしまい、お腹の中でヘアボールや毛玉が作られているのに、ウンチとして排出することも、うまく吐き出すことができない場合には消化器系の動きを妨げてしまいます。ヘアボールを排出できないことによるさまざまな病気を「毛球症」と呼びます。
その状態が長く続くと消化器系が塞がれてしまい、腸閉塞になってしまい開腹手術が必要な状態になることもあります。

この状態になるまでにはかなり長期間かかりますので、その前に家族ができるいくつかのアプローチを取り入れて深刻な状態になる前に取り入れて猫の健康管理を行っていきたいですね。

猫の毛玉・ヘアボール対策について

猫の毛玉やヘアボールなどができてしまう前にできる対策をご紹介します。

 

■ブラッシング

ブラッシングは猫が飲み込んでしまう毛を減らすために非常に有効な対策になります。換毛期に入って抜け毛がいつもよりも増えている期間は、なるべくこまめに猫のブラッシングを行うことが大切です。

信頼している家族からされるブラッシングを心地よいと感じる猫も多いです。猫との大切なコミュニケーションに繋がりますし、皮膚や体の異変があった時に気が付くきっかけにもなります。
猫の健康維持にブラッシングはとても大切なことと意識して行ってみてください。

ただ、中にはブラッシングが苦手という猫もいます。そういった猫は無理にブラッシングを行ってしまうとストレスを感じてしまいますので、短時間で終わらせるほか、その他の対策も積極的に取り入れて毛球症を予防していきたいですね。

 

■繊維質、消化器系の働きをサポートする成分を取り入れる

猫の体調管理を意識したフードの中には、「ヘアボール対策」と書いてあるものがあります。
これらのフードには、繊維質を多めに含んでいるものや、消化器系の働きをサポートする成分が含まれているものが多いようです。

ヘアボール・毛玉ができてしまう原因のひとつには、猫が飲み込んだ毛をウンチとして排出できないことがあります。もともと便秘気味の猫や、運動不足、高齢になって消化器系の動きが悪くなっている場合などに起こりやすいといわれています。
そのため、猫たちの消化器系をサポートする工夫として、水溶性・不溶性の食物繊維を多めに含んでいるものがあります。
水溶性食物繊維には、腸内細菌のエサとなるという特徴があり、腸内環境を整えるためには必要な栄養素です。同時に、不溶性食物繊維はウンチの量を増やし、猫たちの腸の中に溜まった毛を絡め取ってウンチと一緒に排出しやすくしてくれます。

また、便秘気味になっている猫たちには、脂肪分などを少し多めに含んでいるフードや水分量が多いウェットフード、腸内で善玉菌として働く乳酸菌などのプレバイオティクスやオリゴ糖を含んでいるものなどを与えてみるのもひとつの手です。

 

■猫草はヘアボールにも効果的?


猫の毛玉・ヘアボール対策として使えるものに、猫草もあります。市販されている猫草は、イネ科のエンバクという植物の新芽であることが多いです。エンバク自体は実の部分をオートミールやグラノーラとして食べているものですが、猫が食べるのは葉の部分。この部分には、猫に有害な成分などは含まれていませんので安心して使えます。

猫はグルーミング(毛づくろい)で飲み込んだ毛を吐き出すために先のとがった猫草を食べるといわれています。そのほかにも繊維質を取り入れてお腹の調子を整えているなどの可能性もあるのだとか。

猫にも好みがあるようですので、すべての猫が猫草を食べるわけではありませんが、ヘアボールや毛玉の対策のひとつとなります。

 

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■その他ヘアボール対策

他にもヘアボール対策として使われるものに、ペースト状のサプリメントや薬があります。動物病院などでヘアボールや毛球症の対策として用いられるこれらのペーストは、流動パラフィンやグリセリン、アラビアゴムと嗜好性を高める麦芽エキスなどで作られています。

これだけ聞くとなんだか化学的な成分のようなイメージが浮かび、猫にとって悪いもののように感じる方も多いと思います。
でも、流動パラフィンは徹底的に不純物を取り除かれており、人間用の化粧品や医薬品にも使用されるほか、グリセリンは猫や人間の皮脂にも含まれる保湿成分です。また、アラビアゴムはアカシアという樹木の成分で人間用の食品にも用いられています。
これらの成分は猫のお腹の中で溜まったヘアボールや毛を腸へと運ぶ助けをしてくれ、たまった毛をウンチとして排出する際の助けになります。
猫の毛球症への対策として動物病院などでも有効性が認められているものですので、ブラッシングや消化器系サポートの食事、猫草などの他の対策がうまくいかない時などに取り入れてみても良いかもしれません。


猫には個性がありますので、それぞれの対策から続けられそうなものを組み合わせるのがオススメです。

*1 ※tamaでは、これらの商品は防腐剤が使用されているため取り扱っていません。

ヘアボール対策を始めるタイミング

猫のヘアボール・毛玉などは季節の変わり目の換毛期に特に多くなります。ですが、猫の吐き戻しや便秘などのトラブルが起こるのを防ぐためには、早め早めにできることを始めるのがオススメです。猫の抜け毛が増え、気になってきたら、始め時といえます。

季節の変わり目に入るころに猫草を用意する、ブラッシングの回数を増やすといった取り組みから始めてみてはいかがでしょうか。もちろん、消化器系サポート成分を含むフードを取り入れたり、オヤツをヘアボール対策を意識したものに切り替えるのもオススメです。

おわりに

本日は猫の毛玉・ヘアボールが起こる原因と対策についてご紹介しました。猫が頻繁に吐き戻している様子を見ると心配になってしまいますよね。毛玉を吐く回数もなるべく少なくて済むようにしたいという方がほとんどだと思います。
大きく分けて猫が飲み込んでしまう抜け毛の量を減らす方法(ブラッシング)と、ウンチと一緒に毛を排出するサポートをする方法があると思います。
対策にもいくつか種類がありますので、猫に合わせて対策を複数組み合わせて行って見てください。

 

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