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2022.12.01

猫の適切な尿pHはどれくらい?いつ測る?おしっこの健康チェック

猫の適切な尿pHはどれくらい?いつ測る?おしっこの健康チェック

寒くなってくると多くなるのが猫のおしっこに関連するトラブル。代表的なものでは、膀胱炎やシュウ酸カルシウム結石などのほか、ストルバイト結石が見られる猫もいますね。
これらのトラブルは、早期発見できるかどうかがとても大切になってきます。早めに気が付くことができれば、動物病院での処置や薬、食事療法食での治療を経て、多くの場合一般食の生活に戻ります。

猫の体に起きた異変にいち早く気が付くためにぜひ行いたいのが、猫のおしっこの状態をまめにチェックすることです。
「でも、具体的になにをどうチェックするの?」「いつから始めるべき?」といった基本的な疑問を中心に、tamaのスタッフが調べてみましたので、冬の猫の健康維持のために取り組む際の参考にしていただけると嬉しいです。

寒い時期は猫のおしっこをチェックしよう!

寒くなると猫のおしっこトラブルが多くなる傾向があるといわれています。
この背景には以下の要素が関係していると考えられます。

■寒くなることで体温調節のために水を飲む必要がなくなる
■暖かい場所からなるべく動きたくないので、トイレに行く回数も減る
■活動的ではなくなり、運動量が減る
■寒さそのものがストレスになっている
 

暑い時期には体温を下げるために水を飲むこともある猫たちですが、寒い冬になると体温を下げる必要もなくなり、飲水量が減少します。このことから尿の量が減り、排泄の回数も減ることで膀胱の中に尿が留まる時間が長くなって、膀胱の中で雑菌が繁殖したり、尿の成分が結晶化しやすくなると考えられています。また、おしっこの水分が少なく濃度が高いと膀胱の粘膜への刺激も強くなり、これが炎症や出血の原因となることも。

また、猫の祖先ははもともと砂漠地帯で暮らしていたといわれていて、地域に合わせて寒さへの対応能力を身に着けていったとはいえ、やはり寒さは苦手な子も多いといわれています。そのため、暖かい場所から動かなくなってしまう子も少なくありません。トイレが寒い場所にあるような場合は、とくにトイレから足が遠のいてしまうというケースもあるようです。

運動量が減り、遊びなどにも積極的ではないようなら、運動不足に陥りストレスがたまってしまうこともおしっこトラブルの原因の一つになります。
また、寒さそのものがストレスとなって特発性膀胱炎(ストレスが原因の一つと考えられる膀胱炎)になる子もいるようです。

このように、寒い時期はどうしても猫のおしっこトラブルのリスクが高まります。これらのことを踏まえて、まめに猫の健康状態、おしっこの状態をチェックすることが重要になってきます。

第1チェックポイント猫の1日のオシッコの回数は?

まず最初に、猫が1日の中でどれくらいの頻度でトイレに行っているかをチェックしてみましょう。

健康的な猫のおしっこの回数は、固体差はもちろん体調や暮らしている環境、食事内容によって変化しますが、平均1日2~4回といわれています。動物病院で相談する際は、可能であれば家でおしっこを採取するようにするとスムーズかもしれません。
多すぎても困りますが、やはり1日に1回くらいしかおしっこをしていない様子であれば要注意です。さらに、トイレに行ってもおしっこが出ていないことに気が付いたら速やかに動物病院へ。なるべく早く適切な処置を行い、尿を排出する必要がありますから、迷ったら電話などで動物病院にどうするべきか指示を仰ぐのも良いと思います。

 

第2チェックポイント猫の尿pHの適正値はどれくらい?

一般的に、猫の尿pHは、中性から若干酸性よりのpH6~6.5が理想とされています。
とはいえ、尿pHを計測するタイミングによっては大きく外れてしまうこともありますので、タイミングがとても重要。
具体的には、朝の食事の前、猫が起きてきて最初のトイレで出した尿で測るのが良いとされます。

というのも、健康的な猫でも尿pHは1日を通して大きく変化します。食後の尿pHは、胃酸の影響で大きくアルカリ性に傾き、その後睡眠や遊びなどをしていくうちに少しずつ酸性に向かって変化していきます。
とくに大きく尿pHが変化するのが食後のタイミングなので、やっと出たからと言って慌ててチェックしたとしても正確な数字ではない可能性もあり、注意が必要です。

食後すぐではない猫のおしっこのpHが、アルカリ性や酸性の状態であることが数日以上続いたら要注意。膀胱炎や結晶、結石ができやすい状態になっている可能性があります。尿のpHがアルカリ性にしても、酸性にしても変化しないこと自体がおしっこトラブルのサインとなります。
トイレの回数やトイレでの猫の様子と合わせて「おかしい…」と感じたら、動物病院で相談するようにしてくださいね。



猫の尿pHチェックのベストセラー!

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ロールpHチェッカー(猫用)

手軽に精密なpHチェックを行うことができるテープ型pHチッカー。1回に3cm程の使用で約120回程度使えます。食後すぐの尿pHは胃酸の影響でアルカリに傾くため、食前の尿でチェックすることをお勧めします。

●用途:猫のケア用品
●サイズ:5mm×4m

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第3チェックポイント猫のトイレの姿勢をチェックしよう

猫のトイレでの様子も重要なチェックポイントになります。
以下のような行動が見られたら、猫の体に何かしらの変化が起きている可能性があります。


■トイレに行って大声で鳴いている
■トイレの周辺で落ち着きなくウロウロしている
■おしっこをする体制になるが出ていない
■おしっこが少量しか出ておらず、何度もトイレに行く

トイレで鳴いていたり、トイレの周辺でうろつくなどの行動は、膀胱炎による痛みを訴えていたり、痛みのために排泄やトイレ自体に行くことをためらっている可能性も。

また、おしっこをするポーズになっても何も出ていなかったり、出ても少量で何度もトイレに行くようであれば、動物病院で速やかに処置を受けるようにしてください。

■ 猫の血尿が出ていたら…すぐに病院へ!

膀胱炎になっている猫ではたびたび見られるのが血尿です。その名の通り、おしっこに血が混ざっている状態で、おしっこの色は赤茶色~鮮血色と幅があります。猫砂やシステムトイレのシーツについた猫のおしっこが茶色~赤っぽく見えたら血尿の可能性が高いと思います。
また、膀胱炎になった猫のおしっこが持つ独特のニオイで異変に気が付くことがあるようです。どんなニオイなのか、といわれると難しいのですが、普段しているおしっことはニオイが異なることが多いのは事実のようです。
これまでご紹介してきたチェックポイントと合わせて、おしっこの色やニオイも合わせて要チェックです。

猫のおしっこトラブル予防のために

寒い時期に猫のおしっこトラブルへの対策として、家族がすぐにでも始められる対策には、健康チェックのほかにも以下のものがあります。



■水飲み場を増やす
■ウェットフードや猫用ミルクを与えて飲水量を増やす
■トイレを清潔で快適に維持する
■トイレを暖かい場所に移し数も増やす


飲水量を増やすため、猫のために冬の間だけでも水飲み場を増やしたり、オヤツや副食としてウェットフードや猫用ミルクなどを取り入れてみるのもオススメです。

それから、意外と見落としがちなのが、猫のトイレの環境です。
猫にとってトイレは無防備になる瞬間ですから、リラックスできるように静かで落ち着いた場所にトイレが置かれているか、そしてそのトイレが清潔に維持できているかを確認して下さい。
猫の頭数よりも多くトイレを設置するのが理想的といわれていますから、一時的に猫が普段過ごしている暖かい部屋にもトイレを増やしてみるのもオススメです。

また、猫のおしっこトラブル対策のためのサプリメントも販売されていますから、取り入れてみるのも良いと思います。

オススメサプリメント

おわりに

今回は寒い時期に気を付けたい猫のおしっこトラブルにいち早く気が付くために、意識してチェックしたい猫のトイレのポイントをご紹介いたしました。
猫のおしっこトラブルは家族が「何かヘンだな」と気が付いたことが早期発見につながったというケースも多い一方で、放置してしまうと緊急手術が必要になってしまうこともあります。
今回ご紹介したポイントを寒い時期だけでもこまめにチェックして、猫の健康維持にお役立ていただけると嬉しいです。