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2023.10.19

猫に家庭でのシャンプーは必須ではない?3つの理由を検証

猫に家庭でのシャンプーは必須ではない?3つの理由を検証

猫をシャンプーするべきか、悩んだことはありますか?
一般的な家庭で暮らしている短毛の猫であれば、基本的にはシャンプーが必要ない、とされています。
猫にシャンプーが必要ではないといわれる3つの理由について、この記事では詳しく解説します。

猫のシャンプーを必要と考えている方もいると思いますが、すべての子に必要なことではないのです。
では、なぜ猫たちにとって必ずしもシャンプーが必須ではないのか、どのような猫はシャンプーをする必要がないのかなど、改めてご紹介いたします。

シャンプーの必要がある理由必要なシャンプーももちろんあります

皮膚トラブルや体質などによって皮脂が過剰に出たり、雑菌が繁殖してニオイやべたつきが発生してしまうこともあります。このケースでは、動物病院などで治療の一環としてシャンプーがされることも。
また、ノミやダニが酷い場合なども、治療としてシャンプーをする場合もあります。
病気というほどではなくても、猫種や体質によっては、皮脂汚れが出やすく、健康維持のためにシャンプーが必要とされる子もいます。長毛で被毛が分厚いペルシャ猫などでは健康維持のために定期的なシャンプーが必要になるほか、被毛がなく皮脂の分泌が多いスフィンクスなどの猫種でもシャンプーが必要になるケースがあります。
それから、外で遊ぶことがある猫は、当然ながら完全室内飼育の猫と比べて汚れてしまうことが多くなります。

基本的に家の中で暮らす猫にシャンプーは必要ないといえますが、猫たちのその時の状況や健康状態によっては、シャンプーが必要となります。家族の適切な判断が大切です。

シャンプーしなくてもいい?理由その1猫は自分でグルーミングする生き物だから

まず、猫は非常にキレイ好きな生き物です。自分自身の体が汚れてしまったり、ニオイが付いてしまわないように常に衛生的に維持する努力を欠かしません。

猫と一緒に暮らしていると、毎日綺麗に全身の毛づくろいをしていることに気が付くはずです。全身くまなく毛づくろいを行っている猫は、基本的に「汚れたまま」になってしまうことはないと考えられます。

これは猫が野生では自分で狩りをして食事を得ていた優秀なハンターだったことに理由があります。
獲物に気づかれないようにするため、ニオイが付いたりニオイの原因になりかねない不衛生な状態にならないよう、こまめな毛づくろいを行うようになったのです。
また、食事の後も自分で顔や口元を拭うことが出来るので、食べ物のニオイが付いてしまうということもありません。

そのため、健康的な猫であれば、猫自体に体臭はないといわれていて、室内で暮らしている猫の場合は大きく汚れるようなこともないと考えられます。
そのため、完全室内飼いの猫であれば、汚れからシャンプーをする必要はないケースがほとんどです。
(中には高齢だったり、持病のために、あるいは「毛づくろいが下手」で毛づくろいを上手くできずに汚れやにおいが目立つようになる猫もいるようです)

シャンプーしなくてもいい?理由その2猫にとって水は怖いものだから

砂漠地帯で暮らしてきた猫は水がとにかく苦手…という猫も多く、シャンプーも非常に強いストレスとなる場合も。
水に入ることやシャワーを浴びることはもちろん、シャンプーのニオイなどにも慣れておらず、ストレスの理由になってしまう可能性もあります。
とにかく猫にとってシャンプーは恐怖の連続で、パニック状態になってしまう猫も少なくないのです。
パニックになった猫は暴れたり走り回ることが想定されます。猫も必死になりますので、想像以上の力とスピードで暴れたことで、猫だけではなく場合によっては人間側のケガにつながることも。

猫にシャンプーをすることは、人間にも猫にもとっても大変なことになる可能性があります。
基本的には猫の体が汚れてしまった、と感じたとしても、猫へのストレスを考えると拭き取りやブラッシングなどをメインとすることも考えてみましょう。
「うちの子はシャンプーしても大丈夫かな?」と猫の普段の様子から観察して、判断してみてくださいね。

DOG's TALK

中には「シャンプーやお風呂が大好き」という猫もいます。そういった猫たちは、もともとお風呂や水に興味を持っていたり、子猫のころから落ち着いてシャンプーできていることが多いようです。
とはいえ、猫は砂漠地帯で生きてきた歴史を持っている生き物。水の中に入るという行為はとても怖いものだと思っている子の方が大半だと考えられます。

シャンプーしなくてもいい?理由その3猫の被毛は繊細だから

最後に、猫の被毛は洗うのも乾かすのも技術が必要です。

柔らかく、ダブルコートという2層構造の被毛を持っている猫。猫の毛は一本一本が非常に細く、柔らかいだけではなく、人間の髪の毛以上に水を含むと乾きにくいという傾向もあります。
シャンプーをするために濡らしたとしても、それが毛の絡まりの原因となったり、もつれてしまうことも。洗い残しや流し残しがあると脱毛や毛玉などのトラブルの原因になる可能性もあります。
繊細な猫の毛を上手く洗い流すためには、熟練の技が要求されます。

シャンプーのあとはドライヤーで被毛を乾かす必要がありますが、こちらも一筋縄ではいきません。
先ほどもお伝えした通り、猫の被毛は水分を吸うとなかなか乾かないので、ドライヤーも長期戦になることも。
猫にとって大きな音を立てて強い風を出すドライヤーは恐怖の対象。シャンプーをするとき同様にパニックになりやすいので注意が必要です。
とくにアンダーコートは密度も高く、乾きにくい傾向にあります。ドライヤーを嫌がるから、といって濡れたままでいると当然体温が下がり、夏場以外では体調を崩す原因になります。
そのため、シャンプーをした後は、しっかり根元まで被毛を乾かす必要があります。

おわりに

今回は猫にシャンプーが必要ない、と言われる代表的な理由を3つご紹介いたしました。
最近では家庭の中で完全室内飼育される猫が多くなっているため、必ずしもシャンプーが必須ではなくなってきています。
家族が見極める必要が出てきているように思います。
もしもシャンプーが必要な場合でも、家庭で行わなくても動物病院やトリミングサロンなどでシャンプーしてもらうことも可能です。
プロに任せた方が、猫も家族も安心できるようであれば、そういった選択肢を取ることも必要かもしれません。